数字やアルファベットやリボン型や筒型の、様々なパスタが積まれている。製品として出荷できなかったものが捨てられているのだ。ちゃんと袋に入っているし、賞味期限が過ぎているわけでもないし、なぜ捨てられているのかわからない。友人に誘われて、そのパスタを拾いにゆく。パスタの他には煙草が、こちらもきちんと包装された状態で捨てられており、男たちが拾いに来て、喫煙所のようになっている。葉巻を吸っている四十がらみの、サラリーマン風の白いシャツの男に話しかける。葉巻は珍しいですね。いや、ちかごろは結構あるんだ。葉巻の先を切って、火をつけてみせてくれる。吸うかい。吸います。さしだされた葉巻をくちびるに受けて、しかし、煙を吸い込むことはできないのだった。
ちょっとした荒廃
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