晩夏の雪


被曝した初老の軍人ふたりが切腹する。
白い軍服だから海軍だ。
見守っていたのはそれぞれの妻。
妻たちの証言によってわたしはその様子を想像している。
これはわたしが見ている光景ではない、見たくないものは見ないことができる、腹圧ではみ出す腸や下血の様子をできるだけ見ないように、窓の方を向いている。
 
目の大きい、茶髪の、いかにも軽薄な、しかしいまどきのしゅっとしたギャル男などにはほど遠い一昔前のタイプの、温泉地にとどまっていろいろな商売に手を出している男。近頃ではJ党とK党のイベントを請け負ったりしているが、どうも虫が好かない。
男友達と温泉に行った日、たまたま軽薄男も来ており、混浴風呂が混み合っているのをいいことに手を伸ばしてくるので、はっきりした態度をとらねばと思い、局部をつかんで湯から引き上げる。それにしてもこの混浴風呂は男ばかりだ。わたし以外に来ている女といえば小さいタオルで下だけ隠した若いお嬢さん。まるでそふとおんでまんどのようだ。

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