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台北の隠れ家にひきこもる旅(5)万人におすすめできるタイペイ・アイ

タイペイ・アイ(台北戯棚)は前回の台湾旅行のときから気になっていた。
市内中心部にある京劇など伝統芸能の劇場だ。

前回はホテルから劇場まで歩いてすぐだったので、自然と目に入っていた。
いかにも観光という場所は息がつまるような気がしてあまり得意ではないのだが、京劇と言えばうちら世代的には「さらば、わが愛/覇王別姫」であり皇なつきじゃないですか。

これは見ておかねばなるまい。
そう思ってウェブサイトをチェックしたら完売!(大きな団体さんが入ってたのかもしれない。)

今回はぬかりなく、日本にいる間にKKdayでチケットを購入しました。(事前にカード払いしておき、現地ではスマートフォンにバーコードを表示するか、バーコードを印刷した紙を提示するシステム)
タイペイ・アイの公式ウェブサイトからも購入できます。割引の条件などを見比べて選ぶといいと思う。

タイペイ・アイは海外旅行客向けに特化してる劇場なので、字幕が出ます。英語、韓国語、日本語。劇場内は案内スタッフがたくさんいて、だいたい英語か日本語が通じるので中国語が話せないひと(わたし!)にも安心だ。

席はほとんど埋まってたけど、おじいちゃん二人組の隣がひとつ空いてたから「お隣いいですか」って丁寧に声かけたんですよね。
そしたらそのおじいちゃんが「隣でも膝の上でもどうぞ」って言ったのよね。
は。なんだてめえいますぐし…
しーふぇん(十分)で天燈にくくりつけられて飛ばされろ(婉曲表現)。

こういうノリのオッサンたちが台湾を含めてアジア各国に買春ツアーに行っていたのだろうな。
海外旅行に来て日本人の気持ち悪さに鳥肌を立てるとは思わなかった……。

それはさておき。
実はこの劇場は開演1時間前からロビーで俳優さんたちが化粧の様子を見せてくれたり、衣装を借りて写真撮影ができたりするんだ。
だからほとんどのお客さんは早めに到着している。
わたしのように開演開始ぎりぎりなのがわかっているのに春陽茶事雙連店のかわいい電飾に引き寄せられて梅子緑茶を外帯してる場合ではないのです(よく間に合ったよね)。ぜひ30分以上余裕を持って到着してロビーで手に模様を描いてもらったり普通の男の子が妖怪に変身する様を凝視したりしてください。

開演後も舞台の写真撮影OK(フラッシュ不可)なんだけど、手に汗にぎりすぎてそれどころではなかった。
下記がこの日の演目。

第一部:歓楽民俗マーケット「鼓舞獅躍」(竣越芸術劇団)
お坊さんが獅子を探し、その獅子が山に登る様子を表した獅子舞が中心のショー。
獅子舞って頭側の人が尻尾側の人の上に乗って前脚を上げた様子を再現するじゃないですか。あの動きを交えて、これ絶対無理じゃろっていうぐらぐらした小さい足場を登っていくんですよね。その足場と足場の間でかなり大きくジャンプしないといけない距離があり「どうやって飛ぶの?」「どうするどうする?」とかなり焦らした挙句一瞬で飛び移るんだけど、何が起きたか理解が追いつかなかった。頭側の人視界悪いと思うしほんとうにどうやって……。もう一回見たい。
獅子舞の目がばっちんばっちーん! って瞬きできるようになっててそれがすっごくかわいいです。

第二部:京劇テーマショー「虹橋で真珠を贈る」(国立台湾戯曲学院京崑劇団)
海に住んでいる凌波仙子という女性の姿をした神様と白詠という名前の人間(たぶんイケメン設定)が結婚したことが神々の怒りを買い大戦争となるも真珠のパワーで神々の軍勢を撃退。
凌波仙子がめちゃくちゃ強い。
戦闘シーンが曲芸に次ぐ曲芸なのでこちらも目が見たものに脳が追いつかない。投げ上げられた槍がありえない精度で適切な位置に打ち返されたり蹴り返されたりしていた。
歌えて踊れて曲芸もできないといけなくて、しかもちゃんとお化粧が乗るように美容にも気を遣わなくちゃいけなくて、俳優さんはめちゃくちゃ大変ですよね。
舞台の下で見てもなんだか発光してるみたいな感じがする。

めちゃくちゃ満足度の高いショーなんだけど、敢えてわがままを言うならお土産売り場でほしいものがなかったんですよ。トロカデロ・デ・モンテカルロバレエ団が履き古したトウシューズを売るように役者さんの身に付けてたグッズとか置いたら売れるんでは……と思ったりした。劇団がいろいろ入れ替わるからそういうのは難しいのかなぁ。

タイペイ・アイの獅子舞

獅子が客席まで来てくれます。

京劇の役者さんたち

第一部と第二部の間の休憩中のロビーにて。

ほんとうは客家花布などを売っている永楽布業商場の上の階にある劇場(大稻埕劇苑)の演劇も観てみたかったんだけど、それは今後の楽しみに取っておきたい。Faceboookページからポスターを見てみてほしい。メイクも衣装もかわいくて、なんだか楽しそうでしょう? でもこちらは外国人向けのチケット販売サイトには出ないみたいなんです。
たぶん演劇自体は言葉はわからなくても面白いと思うんだよね、ミュージカルみたいな感じだから。

春陽茶事

梅子緑茶(プラムグリーンティ)とわたし。