去年今年


ピアス穴に通すえんぴつ去年今年
門松に祖父の植わっておりにけり
探偵は白紙の賀状握りしめ
雑煮餅世間知らずでござんすよ
この町は海市に合併するんだとか
春らんまん桃色うんこのモーツアルト
母の日に母が着たがるメイド服
次の世も主婦で結構罌粟の花
木曜はゆる巻きにするかたつむり
五月闇彼氏を充電器に戻す
姉の背にほくろ数える午睡かな
ママ僕の右手で蝉が羽化してる
タバスコの瓶振り切って残暑かな
宦官は弁髪ほどく夏の月
銀河系ぎゅんぎゅん回るかき氷
ヒーローの目は穴だらけ夜店の灯
盆提灯何から話しましょうにい
知らん子が浴衣の裾へさばっとん
十六夜を板金塗装しています
背中にはケロイド一面の鰯雲
なめ茸は意外とはやく歩きます
秋の夜を順番待ちの羊かな
いっせいに墓が振り向き曼珠沙華
抱きしめた彼女は菊人形だった
冷まじや首を引き抜かれしペコちゃん
忍び寄り首にぶすりと赤い羽根
この海鼠さっさと腸を吐きなさい
母さんとニートの僕と根深汁
靴下に幼女を詰めている聖夜
このわき毛フェイクファーです触ります

黒鳥 冬季号(平成19年1月1日発行)掲載

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です