そのひとが10年以上前にふるさとのちいさな町で企画・演出した市民オペラのはなしを聞く。
コンサートホールは300人も入れば一杯になるような規模だが、のべ2万人が聴きにくる大盛況だったという。
舞台上で楽器を演奏するのはこどもたち、キャストに地元の劇団のメンバーや公募で選ばれた市民、フランスからアラン・ドロンらベテラン俳優が数名。
キャストが舞台をくまなく歩き回って歌い、踊り、セリフを投げ合うめまぐるしい演出で、いったいどうやって動線を覚えたのだろう、と不思議に思っていると、舞台上のポイントで、あるいは特徴的な台詞を言うときに、すれ違う相手を覚えるのがコツだ、ということを教えてくれる。
懐かしき赤い客席にふかぶかと座った痩せぎすの
コメントを残す