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台北の隠れ家にひきこもる旅(4)台湾小吃にはハズレがないみたい

ごめんなさい。
ここで一度謝りたいんだけど、ひきこもる旅って書いた割に本当は結構出歩いたんだ。
でもさ、日本人って台湾に来たら九份(千と千尋の神隠しのモデルになった町のひとつと言われている)とか故宮博物院とか行くじゃない?
わたしはどっちも行かずに、ほとんどずっと迪化街周辺をふらふら歩いてるだけだから、相対的にはひきこもってると言ってもいいかなと思って。
要するにひきこもりたくなるようなホテルの快適さを言いたかったんだ。
シングルルームなのにベッドにいちいちよじ登る。
ベッドの頭側の壁は本棚になっていて、そこに飲み物などをちょっと置いておける。
客家花布のクッションをだっこして甘い飲み物を啜りながらバラエティ番組を見たり、ツイッターを眺めたり。そういうのが楽しい。

無精髭の大森さんは、フロントの前を通るたびに「はろー!」「ばいばい!」言ってくれる。
小さいカウンターに大森さんともうひとりの若者が二人でぎゅっと詰めて座って外帯(わいだい / お持ち帰り)した麺を啜りながら引き継ぎをやっていたりする。かわいい。

さて、食べ物のことを書きます。

評判の店は予習したけど、気楽なひとり旅なので適当に歩いてふらっと入った店で適当に注文することにした。
なにを食べてもだいたいおいしい。そのうえ安い。

台湾の朝食

豆乳のスープと肉まん。

これは朝食。
ラミネートされたメニューにホワイトボードマーカーで印をつけて注文できる。

ラミネートされたメニュー

なんと便利な! シャイで口下手なわたしに最適のシステムである。日本でも採用してほしい。

台湾は朝食専門の豆乳の店が多くて○○豆漿大王みたいな名前がついている。
この豆乳スープ「鹹豆漿(しぇんどうじゃん)」は思ったより薄味だった。
調味料を加えたほうがいいのかなあと思いながら取りに行くのも面倒でそのまま食べ切ってしまった。
肉まん(肉包)は皮のもっちり感がすごい。このままどこまでも埋まっていきたいような最高の感触だった。
肉まん中身抜き、みたいなメニューがあるのにも頷ける。
この鹹豆漿と肉包で40元(160円弱)です。

このパクチーがうまい2019

お魚のスープと温野菜。

こちらは行列ができてたスープとか麺の店「老阿伯胖魷焿」(読めない)。
わたしのようにニイハオとシェシェでなんとか乗り切ってるみんなは混んでたらどこに並んでいいかわからないはずなので店員さんに駆け寄って「ニーハオー! 我要内用(うぉやおねいよん)オーケー? メニュープリーズ!」とかなんとかウザめに自己主張して並ぶ場所を教えてもらってください。内用と外帯で並ぶ場所違うかもしれない。わたしは無駄に間違ったとこで待ってたかもしれない。
魚のスープは中からトロッとタレが出てくる。
あー、すき。パクチーが物足りない気もするけど、いや、むしろ敢えて抑えたこの繊細なバランスを評価したい。当方ひとりなので相席になりましたが、推定台湾人カップルが「ここどうぞ〜」という感じで招いてくれて、見知らぬお二人と額がぶつかりそうな距離でスープを啜りました。わたし台湾基準ではテーブルマナー悪いかもしれない…もしそうだったらごめん…とドキドキしながら食べました。
手元のレシートによると写真に写ってる食べ物は魚丸湯(60元)と燙青菜(35元)です。
台湾で野菜を食べる方法をぐぐりまくって「燙青菜」という言葉を覚え、これはぜひ実践しようと思って注文しましたが大正解です。カロリー高めになりがちな台湾ごはん、燙青菜のおかげで罪悪感がぐっと減ります。これから先も台湾で食べるときはひとまず食べたいもの一品に加えて燙青菜を頼むスタイルで行こうと思う。
参考:台湾で油がダメなら【燙青菜】がおススメ!サッパリ茹で野菜の種類は?

肉まん袋

中身の写真を撮り忘れたがわたしの多幸感はこのペンギンたちが完全に表現してくれている。

そしてまたしても肉まん。
この肉まん屋さん(明記包點)、閉店間際にわたしのためにレジをわざわざ開けてくれたみたいだった。なんかわたしみんなに迷惑かけてる気がするけどー! みんなやさしいー! 好き!!

2種類、たぶん包子の上ふたつを買ったんですが、椎茸の入ってるほうはぎゅっ! と旨味がきて部屋でかじりながらちょっと唸った。こちらも皮がもっちりしてた。

ところで、台湾の食べ物の中で唯一これは無理かな、と思っているのが臭豆腐(ちょーどうふ)だ。
去年来たときに永楽布業商場の一階で腐肉を茹でるような異臭を嗅いで何事かと思った。ここは衛生的に大丈夫なのか、と。大げさではなく、身の危険を感じるにおいだった。

でもいま思えばあれは臭豆腐だったのです。
二回目の台北でやっと臭豆腐という名前と臭豆腐そのものが結びつきました。
街のあちこちですごい臭気が漂い、そこに目をやると行列ができていて、人々が厚揚げ状の何かを食べている。
ちょっと待て。
並ぶほどうまいのかよ、臭豆腐とやらは!

迪化街のこじゃれた文具店でヒカキン寄りの星野源みたいな日本語ペラペラの店員さんと話したのだが、彼が
「臭豆腐を試してみてよ!」
と強く勧めてくれた。
「納豆みたいな感じ! 臭いすごいけど食べるとおいしい!」
「納豆は食べられるけど臭豆腐はちょっと……」
「たしかに日本人の友達にはテロリストの食べ物と言われました!」

わたしはそこまでひどいことを言うつもりはないが(すでに言った気もするが)自分から食べる気にはどうしてもなれない。
ただし、もしこの先台湾人の友達ができたり台湾通の友達ができたりしたら「いちばん美味しい臭豆腐の店」を教えてもらって挑戦してみようかな……。

205 words

こじゃれた文具店のヴィンテージ鉛筆削り展のようす。設計図(ポストカード)だけ見ると昔の兵器の設計図みたい。