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横浜上映レポート 5

ジャック&ベティでの上映の2週間はまたたく間にすぎて、1月23日金曜日、最終日を迎えた。
何度か通ううちに、黄金町あたりの「下町的横浜」になじんできた福間監督。この日は、京急線黄金町駅のひとつ手前の日ノ出町駅で降りて、町を散策した。
場外馬券売り場があり、ストリップ劇場、ピンク映画館、めちゃくちゃ安い定食屋、小さな居酒屋、中華食堂、川に沿った飲み屋小路。そして川を渡るとハングル一色のコリアン街がつづく。海に近いほうの「観光横浜」とは、色も匂いも異なる「アジア」がそこにはある。「きれいなもの」より「猥雑なもの」に惹かれる福間監督は、また来たいなあ、と名残りを惜しみながら劇場へと向かった。

横浜での最後の上映が終了。決して多いとは言えない数のお客様だったが、監督はていねいに挨拶をした。
「2007年の暑い夏の撮影があって、長い編集の時間を経て、幸運にも東京で公開できて、こうして横浜でも上映できた。そのなかで、いろんないい出会いを持つことができてうれしい。『岡山の娘』は結果的に、自分のここまでの詩もふくめた表現の集大成になったと思う。もうすぐ60歳を迎えるけれど、ここからまた新たに歩んでゆきたい」
こうしめくくって、拍手を受けた。
シネマ・ジャック&ベティに来てくださった皆さん、ほんとうにありがとうございました。

今後の『岡山の娘』の上映は、3月7日(土)から1週間のレイトショーで、大阪第七藝術劇場、そのあと、松山シネマルナティック、名古屋シネマテークが決まっています。
また新たな出会いをもとめて『岡山の娘』は全国をまわります。
どうぞひきつづき『岡山の娘』を応援してください。

宣伝スタッフ おかやまメリー

25
1月
2009

横浜上映レポート 4

シネマ・ジャック&ベティでの上映も1週間がすぎた。
1月18日、日曜日。
この日のトークゲストは、『ヨコハマメリー』の監督、中村高寛さん。「たかひろ」さんと読むのだと思っていたら、「たかゆき」さんだそうです。ごめんなさい、中村監督。
ジャック&ベティのすぐ近所に住んでいるという中村監督は、横浜育ち。中学生の頃からメリーさんを町でよく見かけていたそうだ。そういう原体験と、「メリーさん」と関わりを持った人たちとの出会いが『ヨコハマメリー』を生んだ。
『岡山の娘』の生まれ方は『ヨコハマメリー』とはすこしちがうけれど、タイトルに地名が入っていることをはじめに、共通の構成要素がたくさんあると福間監督は話した。
 『ヨコハマメリー』=メリーさん+まわりの人たち+横浜の町
 『岡山の娘』=みづき+まわりの人たち+岡山の町
ぶっつけ本番のふたりのトークは、町と人をめぐって次第にトーンが上がっていった。
「観光地としての横浜ではなく、素顔の横浜を、どうやれば撮れるのか。何を撮れば横浜という町のメンタリティーが出せるのか。そのことをずっと考えていましたね」
と中村監督。
「僕は5年間しか岡山に暮らしていないけど、人生をやり直すような体験をした土地として、自分の好きだった場所を撮ったら、それが生きた、その風景に教えられたという印象がありますね」と福間監督。
「横浜は東京に限りなく近い大都市だけど、やはりひとつの地方都市で、東京にはない地方都市のリズムがある。渋谷にはない黄金町のリズム、ホームタウンのリズム。ぼくは毎日この界隈を歩くんですけど、漠然と町を見るのではなくカメラでとらえると、変化が見えてくるんです。それがおもしろい。そうして気づいたものを映画にしたいですね」
中村監督の言葉から、『ヨコハマメリー』という映画はメリーさんをきっかけにした自分の町の「記録」なのだと思えてきた。
中村監督の次の作品は、ボクシングのカシアス内藤を撮るのだそうだ。もちろん横浜で、来月から撮影に入るとのこと。
「福間さんは、次はどこで撮るのですか」
中村監督の質問に、福間監督は少々うろたえながら、
「前作はいま住んでいる国立だったし、今回は岡山。うーん、次に撮りたいのはずっと北に飛んで稚内あたりなんだけど。ロシア語と日本語の二重表記の土地に興味があるし……でもお金がかかるし……」と、まだ構想はかたちにならない(?)ようだった。
地元の方がたくさん来てくださった、ジャック&ベティでの最後のトーク。それにふさわしい話題の展開となった。

上映は23日の金曜日までつづきます。
まだご覧になってない方、ぜひ観てください!
最終日23日は、監督がお礼の挨拶をします。

宣伝スタッフ おかやまメリー

19
1月
2009

横浜上映レポート 3

1月17日(土)。今日のトークゲストは、映画評論家であり、映像作家としても活動している金子遊さん。初めて観たときから『岡山の娘』のファン(もう今日が5回目の鑑賞だそうです)だという金子さんからの質問に、監督が答えるというスタイルでトークショーははじまりました。

金子さんは『岡山の娘』について、50年後のヌーヴェルヴァーグを観るようだと言います。『岡山の娘』における、HDカメラによる撮影、すでに充分なほど文法化され、規格化された映画の形式に挑戦するかのような映像構成はとても斬新だ、と。また、ゴダールやトリュフォーといった、かつてのヌーヴェルヴーグの若い作家たちが仮に今映画を撮るとしたら、やはりこのような映画の創造に挑むのではないか、と。それを受けて福間監督は、映画の中で重要ないくつかのシーン(みづきがひとりで怒るシーンなど)は追撮によって得られた素材を用いている、といった制作現場の風景を語る。
それから金子さんが、現在の社会情勢と『岡山の娘』の関連にも言及して、「いま雇用問題などが本当に深刻化している。映画の中のみづきも死んだ母の借金を背負い、自己破産をして、大学をやめ、青果市場で働く。そんななかで「生きさせろだよ」というみづきの科白は真にせまって印象的だった」と話されると、監督も「いまはみづきのような状況が決して他人事じゃないところがある。この映画は社会派の映画でもなんでもないけれど、こういう深刻な情勢が『岡山の娘』を後押ししてくれてるようにも思う。」と答えました。

金子さんがもっとも『岡山の娘』について関心をひいたのは、やはりこの映画の根本的な構造として、映像と詩の双方が含まれるという点だとのこと。「最初は字幕スーパーのように表れる言葉や詩と、映像と、相互に補完し合っているように思ったけれど違う。ほんとうは詩と映像がせめぎ合って、スパークしてるんだと。」監督がこれまで繰り返し語ってきた、『岡山の娘』の構造的な意図――映像と言葉とを拮抗させたい――に論点が及ぶと、トークショーの終盤はまた『岡山の娘』のラディカルな部分に議論が集中。岡山のさまざまな娘たちへのインタビューから映画の「みづき」へとそのままつながっていく冒頭のシーンにおけるドキュメンタリーとフィクションの混淆や、唐突なインターミッション、劇中の『青空娘』のパロディといった部分を取り上げ、『岡山の娘』の映像世界が、映画文法の規格外のところで描こうとしている自由について、余すことなく意見が交わされました。

今日は、ほんとうに15分あまりとは思えないほど濃密に、『岡山の娘』の映画考察がなされたように思います。『岡山の娘』は時代遅れなまでに新しいのだと、また一つ映画の魅力が明らかになりました。
金子遊さん、本当にありがとうございました。

宣伝スタッフ・河野まりえ

19
1月
2009

横浜上映レポート 2

1月11日(日)。横浜上映2日目の今日は、昨日よりだいぶ暖かい。
今日のトークゲストは、やはり東中野でも登場してもらったドキュメンタリー監督の松江哲明さん。
支配人の梶原さんの紹介を受けて登場した福間監督と松江監督は、「東中野のつづきをやろう」と最初から熱の入ったトークバトルを開始。
ドキュメンタリー映画も、ドキュメンタリーの要素を含んでいる『岡山の娘』も、編集が大きなポイントだという話になった。

福間:「編集と画面の映画」という言い方があるけど、編集してない映画なんてものはないよね。
松江:そう、切ることはすごくむずかしいですよね。『岡山の娘』は編集が大変だったと思いますけど、福間さんの切り方のポイントは?
福間:作者の主観が見えるのはよくないと思うんだよね。ポイントは主観を消す作業かな。
松江:そうなんです。『童貞。をプロデュース』でも、自分を消す作業を必死でやった。 でも、消しても消えない。主観は消してもぜったい残る、そう思いますね。
そういえば、「映画芸術」のベストテンで、福間さんと僕は同じ作品をけっこう選んでるって話ですけど、その共通性は、主観は少ないんだけど伝わる、そういう映画なのかなって思ったり……。

ふたりの話は尽きず、またたくまに時間切れ。「女の子は、カメラを回したら女優さんになる」からAVの話題への展開はならず、再び次の機会へと持ち越された。
さて、ジャック&ベティ入口でのツーショット。まるで「じいちゃんと孫」みたい!?
と言っては失礼か……。
プログラムピクチャーから個人映画まで、幅広く、貪欲に映画を追いつづけるふたりの監督。おいしい中華料理屋さんに行っても、話の種は尽きないようだった。

宣伝スタッフ おかやまメリー

12
1月
2009

横浜上映レポート 1

みなさまお元気で新しい年をお迎えのことと思います。
『岡山の娘』の2009年は、横浜は黄金町でスタートを切りました。
1月10日土曜日。
前日の寒波到来で、晴れているものの関東は冷たい風が吹いています。
京浜急行線の黄金町駅から歩いて3分のところにあるシネマ・ジャック&ベティ。
映画好きなら誰もが知っている横浜の老舗映画館です。
ここはシネマ・ジャックとシネマ・ベティの二つがあります。
『岡山の娘』はタイトルにふさわしく「ベティ」の方で、1月23日までの2週間、毎日16時10分から上映されます。
ちなみに『岡山の娘』は、アレックス・コックス監督の新作『サーチャーズ 2.0』とミシェル・ゴンドリー監督の新作『僕らのミライへ逆回転』にはさまれての上映です。
そして、すでにお知らせしているように、監督とゲストとのトークショーも4回やります。

さて、初日10日のゲストは、東中野にも来ていただいた詩人の三角みづ紀さん。
福間監督が三角さんを紹介したあと、三角さんは自身の詩をふたつ朗読した。
『岡山の娘』のなかで使われた「あまのがわ」と「ひかりの先」。今回は東中野のときとちがって音楽なしでの朗読。やわらかく透き通った三角さんの声は、客席の耳をひとつにして、大きな拍手を受けた。
そして、三角さんが用意してきた監督への質問。
そのひとつ。映画のなかで詩人の北川透さんが「弱い心」について語ったことにふれて、
「わたしは自分が弱いから、強くならなければいけないと思っていたけど、この北川さんの言葉で、そうか、弱くていいんだ、と思えてうれしかった」と。
この場面は、たまたま北川さんが岡山で朗読するときに、カメラテストをかねて撮影させてもらったそうだ。
そこで監督は、北川さんが語った「いま表現に必要なのは、弱い心ではないか」ということが、この映画の核になっていると話した。

シネマ・ベティは広いので、人で埋まったという印象にはならない初日ではありましたが、トークのあとの観客の方の顔はいちように満足げで、スタッフとしてはうれしい横浜第一日目となりました。

横浜近隣の方、東京で見逃した方、もう一度見たかった方、そしてこのブログを見て興味を持ってくださった方、どうぞジャック&ベティにいらしてください!

宣伝スタッフ おかやまメリー

12
1月
2009

東中野上映レポート 13

12月5日金曜日、ポレポレ東中野での上映最終日。午後からの南風は雨をともなってどんどん激しくなり、ほとんど台風の様相になった。
だれが降らせているのか。「なんなんじゃ!」とみづきのように、空に向かって叫びたい気持ちを鎮めながら、夕暮れを待つ。午後6時、雨も風もおさまり、ほっとする。
8時半。一番乗りの監督につづいて、レポートの写真を担当してくれた松島君、SPOTTED PRODUCTIONSの直井さん、そして宣伝スタッフが到着。こんな悪天候だったにもかかわらず、受付ロビーは、すでに開場を待つ人で埋めつくされている。最終日の今日は、先着15名様にプレゼントしてきた「岡山ミニみやげ」を、先着30名様に奮発。「岡山ミニみやげ」とは、岡山での上映委員会製作のロケ地マップと岡山を代表する和菓子「大手饅頭」なのでした。
9時。福間監督は、最後の挨拶に立った。
「こんな嵐のような天気だった最終日の今日、大勢の方が来てくださって、ほんとうにありがとうございます」。
「『岡山の娘』の立ち上げから東京での上映の今日までの約2年間、もうダメかと思う場面に何度も遭遇したけれど、それらすべてを支えてくれた人たちに感謝します」と語った。そして、今日初めて見てくださる皆さんに、
「今回のトークで何度か話してきたことですが、『岡山の娘』は、たんに芝居をカメラで撮ったというものではなく、言葉と映像が出会う映画なのです。92分、ぼくと岡山のスタッフが作った表現にどうぞつきあってください。そこから何かを受け取ってくださればうれしいです」と伝えて、大きな拍手を受けた。

上映後、パンフレットや著書にサインを求める観客の方に、福間監督はニコニコ顔で応対し、また感想を語ってくださる方の声に熱心に耳を傾けた。こうして3週間のレイトショー上映は、幕を閉じた。

『岡山の娘』を観てくださったたくさんの皆さん、本当にありがとうございました。
何回も見てくださった方、宣伝活動を手伝ってくださった方、チケット販売に協力してくださった方、心からお礼を申し上げます。
そして、半年近くにわたって、こまやかであたたかな対応で、監督とわたしたち宣伝スタッフを支えてくださったポレポレ東中野の皆さんにも感謝の言葉を送ります。

宣伝スタッフ Antony

07
12月
2008

東中野上映レポート 12

12月2日。上映前のトークショーも最後の回をむかえた。これまで出演いただいたゲストは11人。福間監督とさまざまな関係にある方々から、貴重で興味深いお話を聞かせていただいてきた。
さて、ゲストトークの真打ちは瀬々敬久監督。
福間監督の「映画に引き寄せられては引き離されてきた」ここまでの人生で、90年代初めに強烈に「引き寄せられた」監督である。95年の『急にたどりついてしまう』では、瀬々監督がプロデューサーを務めた。
「『岡山の娘』は前作より若返ってる。むちゃしてるというか……。ああ、福間さんはこういう映画を撮りたかったんだなあと思いましたよ」
と瀬々監督はまず感想を語った。
そして「いちおう家族をテーマにしてるわけだけど、何かあったんですか。いま、黒沢清も是枝裕和も橋口亮輔も家族を撮るわけで、福間さんもブームに乗ったのかなって」と笑わせた。
「そんなことはなくて、キアロスタミ的に自分の分身をつくって、岡山に帰ってゆくことを考えたんだ。結果的に、親子の話になってよかったと思ってる」と福間監督。
具体的には、かつて福間監督が5年間暮らした岡山に、もし自分の娘がいたらどうしただろう、と考えるところから『岡山の娘』の大筋が出来ていったという話は、いろんな場面で語られている。
つきあいの長い福間監督と瀬々監督だが、どういうわけか、このふたりの会話は交わりそうで、実はちっとも成立していないようにもみえる……。
『急にたどりついてしまう』の製作過程はどんなだったのだろうと、余計なことを想像していると、瀬々監督の唐突な大声。
「福間さんのプラス思考は、13年たっても変わらないですねえ」
「えー!」
「僕なんか、撮るたびに絶望的になるのに、ほんと前向きですねー。ポジティブ・シンキング!」
福間監督、少々うろたえながら、瀬々監督に新作の宣伝をうながして、トークを終えた。
妻夫木聡と檀れい主演の『感染列島』は、来年1月17日から全国で公開されます。みなさん、どうぞ観てください!

宣伝スタッフ Antony

04
12月
2008

東中野上映レポート 11

今回のトークショーゲストはドキュメンタリー作家で『童貞。をプロデュース』の監督である、松江哲明さん。壇上に上がる前、松江さんから福間監督は「『岡山の娘』は童貞っぽい映画ですね。」と言われ、「そうだね!」と笑顔。

さて、そんな松江さんから出た『岡山の娘』の冒頭、四人の女の子が横一列に並ぶショットはどのように撮ったのか?という質問に、監督からは意外な答えが返ってきます。

「実はあのカットはね、本番前、よーいハイッていうスタートの前の部分でね・・・」

松江さんは思わず「えーっ!そうなんですか!」とびっくり。続いて、「これは絶対ヴィデオでないと撮れない映画でしたね。ヴィデオだとこんなに自由な編集ができて、表現が広がるんですね。」とおっしゃり、話題はこれまでのトークショーでも度々語られてきたフィルム→ヴィデオ議論へ。

「毎日56分(実は、16ギガと8ギガのP2カードで、40分+20分)は、カメラを回そうと思った。」と、また新たな撮影風景が監督から明かされ、できるだけ多くの素材を集めようという現場での監督の貪欲さを垣間見るエピソードも語られました。

この日、トークショーも盛り上がるにつれ、福間監督は「映画をつくること」に対する情熱をこんな風に語りました。

「最初は裸も無し、絡みも無しってことでちょっとがっかりしたんだけど、セックスしなくたってエッチに撮ろうって。恋に落ちたりなんかしないで欲しいっていうのもあるし。恋なんかしない前の女の子を見つめていたいっていうかね。童貞でもエッチなんだっていう・・・」

松江さん評の「童貞」は監督お気に入りの『岡山の娘』裏キャッチコピーとして使えそうです。

やがて、監督の口からはこんな格言が。

「カメラがあって、女の子がいて、音楽があって、低予算で、90分あれば、おもしろい映画ができる!」

壇上から降りた監督は「今日が一番ざっくばらんに話したかもね。」とハニカミながらぽつりと呟いていました。

本格的に寒い日が続いていますが、ご来場の皆さまには、監督一同、心より感謝しております。また風邪気味だとおっしゃっていたゲストの松江哲明さん、どうぞご養生なさってください。お大事に・・・

宣伝スタッフ 河野まりえ

02
12月
2008

東中野上映レポート 10

11月29日土曜日。今日のトークゲストは沖島勲監督。
福間監督が若松プロに出入りし始めたころに、先輩の助監督として沖島さんがいた。「そのころ、ほんとうにカッコいいなと思った人が、沖島さんだった」と福間監督は語った。
「女優さんにやさしいですよね。さりげなく助けてあげたりとか」
「うーん、ピンクの現場で、まだ女優とも呼べないような女の子たちを、なんというか守ってあげないと、って思ったんだよね」
ふたりのトークの間合いの可笑しさは、まるで漫才みたいだ。場内は笑いに包まれて、観客のみなさんの顔はゆるんでいる。
小学校4年のときから映画監督になろうと思っていて、映画を作ることが頭から消えたことはなかったという沖島監督。昨年話題になった『一万年、後…。』は、熊本の大学で5年半、学生たちに映画の授業をしてゆくなかで、「そろそろカッコつけないと」と奮起したそうだ。
沖島監督は『岡山の娘』のことを「ふつうの映画ではやらないことをやっている。ぼくは『勝手にしやがれ』は実は1回しか観てないけど、これは何回観てもいいんじゃないかな」と話す。そして、「何の変哲もない地方都市と、そこでごく当たり前に生きている娘さんたち。それらが窒息しかかっているところをうまくとらえている映画」だと。
福間監督は、前作『急にたどりついてしまう』のラッシュを見て絶望的になったとき、沖島監督に「映画を撮り終わったときは、全カットを撮り直したいと思うもんだ」と言われて元気をもらったと言う。
ふしぎな友情でお互いを刺激しつづけてきた先輩と後輩。
「オッキー」と「フクマ君」。
ふたりのトークは、壇上を下りて宴席に移ってから、ますます活気を増して、土曜の夜は更けていった。

宣伝スタッフ おてもやん

02
12月
2008

東中野上映レポート 9

11月28日、上映2週目の金曜日。今日のゲストは、詩人の井坂洋子さん。79年に出された第一詩集『朝礼』から最新詩集『箱入豹』まで、つねに大きな話題となる斬新な作品で、読者を魅了してきた。
福間監督と井坂さんは同世代。井坂さんの落ちついた雰囲気が伝播してか、今日の監督はいつもより静か(?)である。
「ちょうど編集で一番悩んでいるときに、井坂さんと話せて救われた。『気分はスタッフの一員のつもりです』の言葉と、送ってくださったクッキーにどんなに励まされたことか」と監督は言う。そのとき井坂さんに、「詩を書くことと映画を撮ることは同じ」と語ったことについて「詩は向き合うものが見えにくかったりするけれど、映画は向き合うものがそこにある。その違いはありますけれどね」と補足した。
井坂さんは、『岡山の娘』は何度見ても飽きない映画だと評価する。「風景がよくて、居心地のいい時空間が流れているんですよね」。
そして、「映画の中で使われている現代詩がとてもよくて、わかりやすい。たとえば鈴木志郎康さんの『わたしはわたしでないからわたしだ』のフレーズがすんなり入ってきたり……」と。
最後に井坂さんは、『岡山の娘』は「現代詩入門の映画」ですね、としめくくった。
たくさん登場する詩にとまどいながら見てくださる方も多いことかと思いますが、井坂さんのこの言葉を心にとめて映画のなかに入っていくことで、『岡山の娘』の窓はより開かれていくことでしょう。

宣伝スタッフ Antony

01
12月
2008