シネマ・ジャック&ベティでの上映も1週間がすぎた。
1月18日、日曜日。
この日のトークゲストは、『ヨコハマメリー』の監督、中村高寛さん。「たかひろ」さんと読むのだと思っていたら、「たかゆき」さんだそうです。ごめんなさい、中村監督。
ジャック&ベティのすぐ近所に住んでいるという中村監督は、横浜育ち。中学生の頃からメリーさんを町でよく見かけていたそうだ。そういう原体験と、「メリーさん」と関わりを持った人たちとの出会いが『ヨコハマメリー』を生んだ。
『岡山の娘』の生まれ方は『ヨコハマメリー』とはすこしちがうけれど、タイトルに地名が入っていることをはじめに、共通の構成要素がたくさんあると福間監督は話した。
『ヨコハマメリー』=メリーさん+まわりの人たち+横浜の町
『岡山の娘』=みづき+まわりの人たち+岡山の町
ぶっつけ本番のふたりのトークは、町と人をめぐって次第にトーンが上がっていった。
「観光地としての横浜ではなく、素顔の横浜を、どうやれば撮れるのか。何を撮れば横浜という町のメンタリティーが出せるのか。そのことをずっと考えていましたね」
と中村監督。
「僕は5年間しか岡山に暮らしていないけど、人生をやり直すような体験をした土地として、自分の好きだった場所を撮ったら、それが生きた、その風景に教えられたという印象がありますね」と福間監督。
「横浜は東京に限りなく近い大都市だけど、やはりひとつの地方都市で、東京にはない地方都市のリズムがある。渋谷にはない黄金町のリズム、ホームタウンのリズム。ぼくは毎日この界隈を歩くんですけど、漠然と町を見るのではなくカメラでとらえると、変化が見えてくるんです。それがおもしろい。そうして気づいたものを映画にしたいですね」
中村監督の言葉から、『ヨコハマメリー』という映画はメリーさんをきっかけにした自分の町の「記録」なのだと思えてきた。
中村監督の次の作品は、ボクシングのカシアス内藤を撮るのだそうだ。もちろん横浜で、来月から撮影に入るとのこと。
「福間さんは、次はどこで撮るのですか」
中村監督の質問に、福間監督は少々うろたえながら、
「前作はいま住んでいる国立だったし、今回は岡山。うーん、次に撮りたいのはずっと北に飛んで稚内あたりなんだけど。ロシア語と日本語の二重表記の土地に興味があるし……でもお金がかかるし……」と、まだ構想はかたちにならない(?)ようだった。
地元の方がたくさん来てくださった、ジャック&ベティでの最後のトーク。それにふさわしい話題の展開となった。
上映は23日の金曜日までつづきます。
まだご覧になってない方、ぜひ観てください!
最終日23日は、監督がお礼の挨拶をします。
宣伝スタッフ おかやまメリー