カテゴリー別アーカイブ: 憑依俳句

手紙魔まみ、ゆゆのおるすばん

手紙魔まみ、ゆゆのおるすばん

皆既日蝕。兎の尻を抱きしめる
はるいちばん薬袋に貼る切手
ゆゆです。姉は出掛けています。春の星
あたたかし盗聴器のようなタンポン
銀河系共通言語シャ・ボンダ・マ
ゆゆの苺、つぶさないでって云ったはず
ゆゆの髪、洗わないでって云ったはず
宇宙船。ほら。虹色が非常口。
重力の弱い地球へ桜しべ
黴び方がとても上手ね、まみの爪
風は死んだの。虫歯、こじらせて
水中花とミジンコたちの愛でした
油蝉があれば海まで行けたのに
妹型昼寝装置としてゆゆは
マリリンのM まみのM MM忌
つけまつげにささる来世の流れ星
甘噛みの、まみの歯形の、腐る桃
糸電話料金未納通知かな
マンホールの蓋がつめたい朝ですね
ばつ、くちづけ、ウサギのくち ×××

小料理いしはら

小料理いしはら

取り皿のいちばんうへに豆の花
月朧ジップロックを揉みに揉む
すりこぎのひこばゆるまでひとを恋ふ
前掛けがハンカチがはりなのは内緒
春の果て白身魚を白くせり
きもぐれんすつらぐれんすと泣きにけり
巻き簾干しませ虹のあるうちに
舌を透くべつかふ飴や桜桃忌
「別れたら蠅取リボン換へにきて」
だし巻きに巻かれる前や大夕立
歌ふのは嫌ひおくらの揚げ浸し
刃を入れてくらげに水とそれ以外
「ささがきにされたいやうな汗疹です」
「後朝の毒消売はゐないのよ」
月涼し菜箸の先ささくれて
仏蘭西へ泳いでゆける割烹着


「フィクションのなかの食」アンケート企画より

みのはちのすせんまいぎあら春愁  榮猿丸『点滅』

ミノ・ハチノス・センマイ・ギアラはホルモンの部位名。牛の第1胃から第4胃までを列挙している。ひらがなの丸い形状は臓物の丸みそのものだ。薄桃色と灰色の生肉に囲まれた憂鬱。「よっしゃ焼肉食うぞ!」という高揚感はすこしも感じられない。

すいくわバー西瓜無果汁種はチョコ
鶏唐揚に敷いてパスタや夏の暮

榮猿丸は、日常生活で見過ごしがちな風景を巧みにすくいあげる。彼の食の句はなぜかいつも美味しくなさそうな気配を漂わせていて、面白い。


初出『別腹』第七号(平成二十六年五月五日発行)

卒業論文

卒業論文

卒業論文

小夜時雨司祭の混ぜるヨーグルト
体温計くわえれば来る大天使
冬晴や尼僧両手でマイク持つ
伏線を回収できぬ狸の死
女子寮や蛇口の下に柚子まわる
寝酒酌みかわす東方三博士
しあわせに電気をつかうクリスマス
明け方のユダは湯婆抱きしめる
初日さす論文検索データベース
下着ずらして元旦をたしかめる
初鏡風の足りないドライヤー
行間に白い兎を飼っている
葛根湯ぬるし口頭試問怖し
卒業したい卒業したい酢茎噛む
白無垢を着ているような風邪ごこち
友情の果てに豆乳鍋爆発
冬ぬくし端から錆びる缶バッジ
院生のストッキングの迷路かな
なぞなぞを出しては潜るかいつぶり
寮監と神父ぶつかる冬の虹
 

ルッカリー

ルッカリー
 
ルッカリー
 
極東の冬あたたかく休園日
ガラパゴスゾウガメ鳴くや午後は雨
いかなごをひとすじ銜え愛妻家
だれそれのとつぜん不在竹の秋
ぺんぎんに歩く自由や斑雪
春の昼ひよこまみれになりやすい
万愚節擬卵のようにわが子かな
柵を舐め桜吹雪を食み麒麟
鉄柵に園児はさまる日永かな
行く春のゴム長靴をつつこうか
 
 

プロローグ

プロローグ

腐女子の章

ピノキオに精通のある朧かな
柳絮舞ふ昼を低音ボーカロイド
図書室にポーズ集あり百千鳥
雄乳(おつぱい)を塗るにマゼンタ風薫る
柏餅じやうずに剥いたはうが攻め
雲丹の棘つまみ上げたる誘ひ受け
餌奪ひ合ふ琉金の雄と雄

事務員の章

あぃまぃにメエルを返し山笑ぅ(*´ω`*)
わたなべのなべがわからぬめかりどき
メーデーになんの予定もない予定 _(:3 」∠ )_
先々代社長像あり水を打つ!
冷房のよくきいている段ボール
ひさびさの定時退社や白日傘♪
ひややっこ社内恋愛とゎちがう。。。

家庭教師の章

燈下親し文章題が解けるまで
大西日さいころ切れば展開図
蜩(ひぐらし)やけんかの傷を見せてくれる
おとなりの猫にバッタをあげている
ダンゴムシ用筆箱のあるらしき
なまぬるき葡萄いただく時間かな
秋暑し声を合わせてCHA-LA HEAD-CHA-LA

ショップ店員の章

マネキンを回れ右
あらゆるかたちを四角くたたんであげる
顧客名簿の澄子は母
試着室につけまつげが生えてる
ロッカーの傘黴びてペイズリー柄
掃除のおばちゃんがくれた飴にがずっぱい
ノルマ届かずあのへんが天の川

S嬢の章

初夢の龍に首輪を与えたる
熊の子のおなかせなかの縫い目かな
   昭和三十六年一月二十八日、絵師伊藤晴雨没
晴雨忌や宿のかみそり剃りにくく
冬深し蝋の温度をたしかむる
ガーゴイル氷雨を吐きて笑うなり
ひとを吊るほそきちからや星冴ゆる

地廻り

地廻り

地廻り

俎板にある掌の涼しさよ
ネオン街に連れてこられて葛餅は
傘もらうためのパチンコ梅雨長し
桜桃の種のピンクが灰皿に
若楓まぶし胸倉つかまれて
夏山に茶箪笥ほどの穴を掘る
青葉木菟置いた荷物が持ち上がらぬ
すこしずつ逃げるみみずの抱き枕
川床に長く取り出す財布かな
明け易き法治国家に歯を磨く
逃げるように導くように浮いて来い
覇王樹に匕首をさす不眠かな
夕涼みこれは小銭を入れる箱
生命保険証書あたらし糸蜻蛉
秋高し車体にうつる他人の妻
銀漢は眼窩を満たすには足りぬ
泡風呂に乳暈すべる良夜かな
任侠やハンカチーフをよく濡らす
満月が助手席からは見えるのか
吾子の髪みじかき指をもて洗う

ロココごころ

rokokogokoro

ロココごころ

BABY,THE STARS SHINE BRIGHT 初詣
初夢を執事に聞かせたく目覚む
仏蘭西刺繍の仔猫をそつと押し洗ひ
つまさきのほのあたたかくミシン踏む
蛍火で焦がしてしまふドロワーズ
炎昼の庭師をじつと見るあそび
尺蠖や夢見ざる日の夢日記
薔薇を噛んでも悪い子になれません
少年はにかむ毒瓶をかたはらに
民草にティッシュを配る西日かな
バルコンに出て民草に手を振らず
月のつく名前着信してをりぬ
天蓋や桃は産毛を許さるる
どんぐり降る絵本の外の王国に
頬骨にオペラグラスの冷たかり
奨学金返還できず草紅葉
かつら梳くマリー・アントワネットの忌
遠火事にして革命と無関係
暖房やあなたは紐の多い服
闇汁にブーケガルニを投げ入れな

 

かりかり日記

かりかり日記

かりかり日記

うららかや尻尾の先が焦げておる
のどもとをじたじたとおる蛙かな
夏めくや変なにおいのする首輪
六月の革靴かすかなる浮力
梅雨寒し角の毛羽立つ紙袋
夏の港みんな荷物を持っている
地蔵盆舗道の染みを嗅ぐことも
厭世や蘭鋳の瘤たわわなる
野に放れり秋七草に囲まれて

線と情事

ひとじゃらし

ひとじゃらし

ひとじゃらし

絶望の湯船に柚子と浮かびおり
重き布かぶせられたる聖夜かな
荒星の下にて耳をすり合わす
初明り我が似姿が皿の底
初空に真白き髭を張りにけり
元日や床にこぼるる花かつお
人間にはんぶん譲る嫁が君
双六の上は居心地よかりけり
初旅や首のまわりに何かある
三寒四温掻きむしってもよい柱
春遠し腹から糸が出ておりぬ
涅槃西風ペットボトルの林立す
啓蟄のゆっくり動くおやつかな
耐えがたき顔の痒さよ菜種梅雨
人間の大きな足や春炬燵
ひとの子を尻尾でじゃらす日永かな
倦怠やお内裏様の首を咬む
新しき瓦なめらか鳥雲に
三男や生命線に鰆の味
国境の外側にある燕の巣

4月14日(日)文フリin大阪に行きます

第十六回文学フリマin大阪に参加します。

第十六回文学フリマin大阪: 2013年04月14日(日)11:00-16:00
堺市産業振興センター イベントホール/ブース: 【E‐42】NECOfan
目印は派手な格好をした(←推定。)甘茶茂氏です。

『線と情事』創刊号に憑依俳句「かりかり日記」を寄稿してます。

執筆陣:
石原ユキオ
木内絵美子
傷彦(ザ・キャプテンズ)
しまおまほ
島田虎之介
関根美有
橋本尚平
林岳彦
藤原大輔 (MU-STARS / M.S.G.)
甘茶茂

すごいメンバーの中に混ぜていただいて、緊張でおしりのあたりがそわそわ…
しかも、なんと、コミックナタリーで紹介していただいているではないですか。
自分の名前がナタリーに出ることがあるなんて…すごい…スクショ撮っとこう……!

『線と情事』創刊号のテーマは「猫」。
で、こんなポストカードを作ってみました。

憑依系ポストカード・猫鞄

心をこめて消しごむはんこを彫り彫り&ぺったんぺったん。
手作りのため、一点一点仕上がりが微妙に異なります。

憑依系ポストカード・猫雨

うらめしかわゆい高級にゃんこをイメージしました。
ノスタルジックなセピア色のインクで万人に愛される気満々☆

宛名面

宛名面は家庭用プリンターで印刷したので、濡れるとジワジワっと風合いが出ます。(晴れた日に使ってね!)

今回は、このポストカード二枚に、

三点セットどーん!

憑依系缶バッヂをおつけした三点セットでのご提供。
価格未定!

太田ユリのバニーガール姿が大好評の『guca紙』も持っていきます。
すでにお持ちの方、保存用に、ご贈答に、職場や学校のロッカーに置いておく用に、もう一冊いかがですか?

guca紙