あらゆる娘たちにはそれまでの日々があり、日常があり経験があり、傷跡や噛み跡がある。それぞれ背負ってきたものはその娘しか背負えず、娘たちは「主人公」となり、「わたしだけはみんなと違う」と叫び続けていくとしても、ふと視界が拓けるときは必ず訪れる。
あまりにも果てしない世界と対峙するは自分自身の存在と対峙すること、そしてその自分は世界よりも果てしない世界だということ。
そんなそれぞれの世界が擦れ合ってひとつの世界へ収束している。
自分と向き合うとき、ようやく夜は明け、ふいに世界に少しだけ手が届く朝が訪れる。
岡山の娘たちは、この瞬間もそんな朝を耳元に感じている。