11月19日水曜日。冬晴れの夜は冷えこんでいる。今日のトークゲストは、詩人で映像作家でもある三角みづ紀さん。三角さんの処女詩集『オウバアキル』は中原中也賞を受け、『岡山の娘』のなかに登場する詩集『カナシヤル』は昨年の歴程新鋭賞を受けた。いま海外からも注目されている詩人である。

映画のヒロインみづきは三角さんがモデルではないが、名前は彼女からもらったそうだ。けれども、『岡山の娘』は三角さんの詩と映像からいろんなかたちでインスピレーションを受けている、と監督は言う。

さて、今日のトークは後半に三角さんの朗読がある。

監督の「映画のなかで詩を使わせてもらいたいとお願いしたとき、どう思った?」の質問に、「すごくうれしかった」と答えた三角さんの笑顔が印象に残った。

ふたりともちょっと照れているようなトークのあと、石井ようへいさん(失礼!漢字がわかりません)のギター&パーカッションとともに三角さんの朗読は始まった。映画のなかで使われた「ひかりの先」と「あまのがわ」。しずかにひびく透き通った声はときに歌になり、リフレインして、わたしたちの胸に届く。二つの詩を自在に行き来しながら、三角みづ紀の詩は音楽になる。うつくしい音色の「魅惑にみちた苛酷な世界」にいつのまにかひきずりこまれていた。

詩人の方がたくさん来てくださった5日目でした。

宣伝スタッフ Antony