11月29日土曜日。今日のトークゲストは沖島勲監督。
福間監督が若松プロに出入りし始めたころに、先輩の助監督として沖島さんがいた。「そのころ、ほんとうにカッコいいなと思った人が、沖島さんだった」と福間監督は語った。
「女優さんにやさしいですよね。さりげなく助けてあげたりとか」
「うーん、ピンクの現場で、まだ女優とも呼べないような女の子たちを、なんというか守ってあげないと、って思ったんだよね」
ふたりのトークの間合いの可笑しさは、まるで漫才みたいだ。場内は笑いに包まれて、観客のみなさんの顔はゆるんでいる。
小学校4年のときから映画監督になろうと思っていて、映画を作ることが頭から消えたことはなかったという沖島監督。昨年話題になった『一万年、後…。』は、熊本の大学で5年半、学生たちに映画の授業をしてゆくなかで、「そろそろカッコつけないと」と奮起したそうだ。
沖島監督は『岡山の娘』のことを「ふつうの映画ではやらないことをやっている。ぼくは『勝手にしやがれ』は実は1回しか観てないけど、これは何回観てもいいんじゃないかな」と話す。そして、「何の変哲もない地方都市と、そこでごく当たり前に生きている娘さんたち。それらが窒息しかかっているところをうまくとらえている映画」だと。
福間監督は、前作『急にたどりついてしまう』のラッシュを見て絶望的になったとき、沖島監督に「映画を撮り終わったときは、全カットを撮り直したいと思うもんだ」と言われて元気をもらったと言う。
ふしぎな友情でお互いを刺激しつづけてきた先輩と後輩。
「オッキー」と「フクマ君」。
ふたりのトークは、壇上を下りて宴席に移ってから、ますます活気を増して、土曜の夜は更けていった。
宣伝スタッフ おてもやん