2009.2.2〜2.8.
2月2日(月)
浅間山の火山灰。国立にも降って、
うちのマンションもうっすらと灰色におおわれた。
先に気づいた妻、気づかないわたしの鈍感さをチェック。
午前中、自転車で
詩人新井豊美さんち、TSUTAYA、100円ショップのMEETS、
そして国立中央図書館へ。
図書館は休んでいたのが今日から再開で、人が大勢いた。
夜、7時半すぎから、
(いきなり書いてしまうが)
あやちゃん、コーちゃん、フミちゃん、ヒトミさん、リーちゃんの順にやってきて、
岡山のかきを食べる会。
後半、かなり酔って
(あとで思うとビールとワインのほかに日本酒も飲んだのが効いた)、
客の迷惑もかえりみず、音楽をかけまくる。
アントニーからはじまって、ルーファス・ウェインライト、
ティラノザウスルス・レックス、リサ・マリ・プレスリー、リーラ・ジェイムズ、
デル・シャノンなど。最後もアントニー。
2月3日(火)
四つの授業で、期末試験。
1時限目の履修者180人以上の「映像文化論入門」のレポートと答案を
読みはじめるが、読み切れない。
夜、妻と待ち合わせて、ポレポレ東中野で『へばの』を見る。
試写で見たとき以上に、木村文洋監督の若い「苦悩」に共感をもった。
打ち上げに参加。
今日は、横浜聡子監督がトークゲスト。
新作『ウルトラ・ミラクル・ラブストーリー』(6月公開)のヒットを
みんなで祈る気持ちになった。
2月4日(水)
英語(首都大学東京では「実践英語」という科目名)の
統一期末試験の監督を、朝から夕方まで。
約100人ずつの1年生と2年生。
かれらと同じ部屋で時間をすごす。
授業では感じないことだが、
この200人にカメラを向けるだけでも一本の映画ができる気がした。
夜、ジャン=リュック・ゴダールの『ワールドミュージック』を見なおす。
ヒロインが湖畔を歩く「天国篇」の美しさ。
そこまでたどりつくのが並大抵のことではないが、
どんな作品でもこういう夢をはらんでいる必要があるのでは、と思った。
2月5日(木)
朝、NECOチャンネルに回して、
李香蘭(山口淑子)と長谷川一夫の『支那の夜』(1940)を見てしまう。
92分の総集編で、だいぶ切られているのだろうが、
31歳で夭折した伏水修監督の画面作りの巧さに感心する。
午後、マイテレビの人が来て、デジタルへの変換をおこなった。
ようやく、わが家でも
ハイヴィジョン放送の番組を見ることができるようになったのだ。
夜、国立駅に山?はなさんを迎えに行く。
長い物語をハショらなくてはならないが、
『急にたどりついてしまう』のときから応援してもらい、
今度も松山上映に大尽力してくれた人。
妻のいる「奏」に案内する。
ポレポレ東中野の小原さんとカフェ「ポレポレ」のマイちゃんが
先に来ていて、みんなでテーブルを囲む。
2月6日(金)
夜遅く、ジャック・ロジェの『アデュー・フィリピーヌ』(1963)をついに見る。
見終わった瞬間にもう一度最初から見たくなった。
すごい作品だということだ。
2月7日(土)
修士論文(午前)、卒業論文(午後)の口頭試問。
さらに評価のための会議。
学生も大変だろうが、
こちらも教師としての能力を問われる気がする。
疲労と沈む気分をかかえて、国立に戻る。
気持ちを切りかえて、「ロージナ茶房」へ。
『岡山の娘』大阪公開に合わせて
「福間健二監督トークイベント」というのを
やってくれる「銀幕舎」の高瀬進さんとの打ち合わせ。
最近国立に越してきた歌人の今橋愛さんとも話す。
最近、なぜか、歌人との出会いがある。
うちから二番目に近い飲み屋「利久」から
いちばん近い飲み屋「旬家」へと、妻とハシゴする。
「旬家」のカウンターにある水槽の小さな魚たちに生命を感じる。
2月8日(日)
ジャン・ルノワールの『ピクニック』(1936)を見た。
39分。未完の作品をプロデューサーたちが完成させたもの。
DVDには、「撮影風景」「リハーサル」も入っている。
川の水とシルヴィア・バタイユ。
『アデュー・フィリピーヌ』にも通じるが、
官能への予感と魅惑をふりまきながら、
底のところで悲しいことやきついことがおこっている。
これでいいんだなと納得してしまった。