2008. 9.7〜9.15.

9月7日(日)
原稿を書きながら、「しばらくヴィデオを撮ってないなあ」と思う。
ソニーのハンディカム(DCR-HC40)を持っている。
次の映画までまた13年なんてことにならないように、
気楽に撮って、映像に親しんでいたい。
で、基本的にものすごく怠け者で、
それなのに欲張りだから、
「毎日詩を書き、毎日撮影するのだ」と、宣言している。
でも、簡単じゃないという、なにか当たり前の話。

9月8日(月)
午前中、国立市役所に用があったので、自転車で。
実は、新しい自転車を買ったばかりなのだ。
ブリヂストンのアルベルトファイン、RA7STP。
チェーンではなくベルト駆動で、ランプは自動点灯式で、
グリップシフターの3段ギア。色はミラーシルバー。
かなりカッコいいと思っている。
『岡山の娘』の、岡山大学ロケで、
スタッフの自転車を借りて走りまわり、
撮影場所、アングル、カメラワークを決めた。
あのとき、自転車の便利さを再認識した。
はやく、勤め先の大学に乗っていきたい。
たぶん12キロくらい。電車よりだいぶ早く着くと思う。

9月10日(水)
詩人の高貝弘也さんと二人で往復書簡のように書いた
対詩「夏の旅」を推敲。
今月末に出る「現代詩手帖」10月号に載るもの。
この対詩のなかで、わたしは、
(京浜急行で行った)三浦半島の三崎、
(台北経由の空路で行った)マカオ、
(武蔵野線の、立ち飲み居酒屋「野島」のある)秋津をまわった。
高貝さんは、前橋で朔太郎を思い、
そして京橋の試写室で『岡山の娘』を見て、
北川透さんの言った「何にでも傷つきやすい 弱い心」や
みづきのさまよった「岡山の終わらない夏」を
詩のなかに呼び入れてくれました。

9月12日(金)
『性犯罪暗黒編 ある通り魔の告白』のプリントの状態がわるく、
11月22日のオールナイトでの上映は無理だと、報告が入る。
かわりに足立正生監督の『女学生ゲリラ』を上映する。
どの作品だって、自分を見るのは恥ずかしいけれど、
『ある通り魔の告白』の芦川絵里ちゃんには再会したかった。
それに、なにしろ脚本・主演作品ですから。
残念。
午後3時半から、映画美学校第2試写室で、
(二回目で最終の)『岡山の娘』の試写。
パブリシティー関係は、あまり来てくれていない。
宣伝というのは、ほんとうにきびしい。
若いときからすると小さくなってきた
自分の「生意気さ」や「傲慢さ」が、
全部、しぼんで、もっていかれてしまう。
それも、ふしぎな快感だけどね。
今夜も「加賀屋」東京駅前店で飲む。
『青春伝説序論』の主演俳優長谷川隆志さん、
『急にたどりついてしまう』の鬼の助監督松岡邦彦さん、
『岡山の娘』脚本協力の今村秀也さん、
みづきの名前の由来となった詩人三角みづ紀さんと彼氏、
詩人の永澤康太さん、宣伝の直井さん・河野さんと
うちの夫婦の、計10名で。
最後は5人になって、リアルビールを飲みに行く。

9月14日(日)
「消える前にすること」という詩を書き上げて、
松山の詩人堀内統義さんに送る。
11月9日に松山で「詩は生きている」という題でトークをする。
その関係で、愛媛詩話会の発行する作品集に載せるもの。
夜、国立の音楽茶屋「奏」のジャズライヴに行く。
宮野裕司さんと大森明さんのサックス二本に、岡田勉さんのベース。
それに、ゲストでトロンボーンの佐藤春樹さんが加わった。
「管」が鳴った瞬間に一気に体を引きずり込まれる、
なつかしく、かっこいいジャズ。
佐藤さんはすこし若いが、
宮野・大森・岡田の三氏は、わたしと同世代。
長く活動してきたのだ。
宮野さんは、岡山出身で、
『岡山の娘』の音楽を担当してもらうという話もあった。
それは(わたしのほうの事情で)実現しなかったが、
彼の静かな存在感には、いつも、
好きなことに打ち込んだ生き方のすばらしさを教えられる。

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