【レポ】C.T.T. OKAYAMA 第2回上演会

C.T.T. OKAYAMA 第2回上演会を観に行ってきました。
この公演は、現代演劇の訓練の場という位置づけで、場数を踏むこと実験的な試みができることを主眼にしています。岡山市内のお寺、本行寺の本道を使い舞台と客席がスゴく近い位置というのも特徴です。今回4組の演目とその後の観客と出演者/演出者による合評が行われます。
前回公演も拝見して共通に感じた事として、場所の持つ空気感と舞台と客席の距離感、演じられる内容も実験的な要素があることで、演じる側と観る側の緊張感や空気感の共有がすごく濃い位置にある。つまり観る側にもすごく緊張感とか演目を理解する楽しみを与えてくれます。合評でも作る側の思いや解釈などなど聞けて面白い。クリエイティブの一部分を観て参加している感じが刺激になります。
明日も14時から2回目の公演があるので、興味のある方はぜひ足を運んで下さい。

では、以下今日の感想。
■就実高校文芸部+石原ユキオ「いっく!」

作句・俳句朗読:就実高校文芸部
演出:石原ユキオ

俳句と詩で構成された文章を4人の女子高生が朗読(パフォーマンス)します。
高校生の文芸部がするパフォーマンスとしては楽しく観る事ができました。特に最後にサプライズとして読んだ俳句の入ったテキストをラブレターという設定で、「先輩好きです!」と言いながら観客へ配って行くとこなどは、面白い演出。
但し、全体の構成やパフォーマンスの内容は、もっと面白くできるかなー?という印象。コンセプトワークと構成の部分にもっと時間を使うべきだったかなと思います。つまり、若いとか場数が少ないという圧倒的なハンデと高校生しかも文芸部であることの個性をもっと大胆に使ってベタに押す。パフォーマンスの際に恥じらいが出るのであれば、それも武器に出来る演出方法があったような気がします。

■坂口修一ひとり芝居「傘が無い」

作・演出:角ひろみ、出演:坂口修一

関西弁の主人公が1人で展開させるお話。元いじめられっこで現在寿司職人。旧友のいじめっ子に結婚祝いのお寿司を届けるという内容。
緊張感のある空気を探りながら、セリフや演技で笑いをとりながら、話の内容は濃い展開で状況を把握したり想像しながら、でも展開として裏切られるみたいな、想像遊びとしてもすごく面白い脚本でした。明日の公園は続編らしく、正直観に行きたくなってます。(笑)
ただ、ちょっとしつこい部分が合ったり、途中で退屈する部分もありました。話の展開をひっぱりすぎたり、しつこいのが原因かと思います。もちろん個人差はあると思いますが、そう言う意味では一人芝居って難しい。

■マドモアゼル愛子

作・演出・朗読:マドモアゼル愛子

これは説明が難しい。。詩人(?)によるパフォーマンスというかイメージとしてはピン芸人に近いかも。とにかく全てが個性的な独特の世界観。あやうさや足らない部分も含めて、ある意味完成した芸だと思います。
好き嫌いは別れそうな演目ですが、とにかく時間経過とともに積み重なって面白くなるという不思議な現象。会場も半分ぐらいまでは?マークが出てる人が多かったかもしれないけど、2部以降で相当数は引き込まれて、7割ぐらいの人は夢で第3部がみれるんじゃないでしょうか?

■演劇ユニットてんこもり堂「紙風船」

脚本:岸田國士、演出・構成:藤本隆志
出演:勝二 繁、横江智子、藤本隆志、金乃梨子

たぶん一番正統な形でのC.T.T.演目。明治時代の劇作岸田國士の紙風船。
夫婦2人のとある日常を描いた話。2人芝居に夫婦の心象を表現するような2人が加わって、2人で演じられるという試み。心象表現の2人には基本的にセリフはなく、動きや距離感で夫婦の心象を描いている(ということだと解釈した)。2ペアが舞台エリアの端っこ同士に配置されているので、視線を移動しながら見比べるという行為が生まれて、心象の2人がいるおかげで、夫婦の心の動きをすごく意識させられるというか集中して想像できる環境になって面白かった。現代アート的と言うか感覚的に観客を巻き込んでいっている感じが楽しかった。

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