ある夏の送り火【岡山映画祭2016上映作品】

公開年:2016年
監 督:岸本景子
時 間:90分
出 演:竹田朋子、倉増哲州、眞鍋歩珠、川瀬陽太

日 程:2016年10月30日(日)12:30~(上映後=岸本景子監督トークあり)
会 場:岡山市立オリエント美術館 〒700-0814 岡山県岡山市北区天神町9-31

突然やってくる家族の死

時を経て伝統行事「送り火」を復活させた香川県さぬき市鴨庄白方という小さな漁村を舞台に、海で娘を失ったある母親とその家族の喪失と再生を描いた物語。昨年夏、実際に行われた盆の送り火の中撮影されたラストシーンは圧巻。
(上映企画スタッフ:赤松章子・吉富真一)

 

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撮影前、さぬき市の白方海岸を訪ねた際、地元の方から「送り火」への想いや、実際に海で子供を亡くした母親の話をお聞きしました。
この役をいただいた際に、やはり思い出したのは自分の母のことで、私が病気になるたびに「代われるものなら代わってあげたい」といつも言っていました。
この物語は、小さな集落の小さな家族に突然起こった物語です。
もしかしたら明日、大切なひととの別れがくるかもしれません。
それでも日々は続いていき、私たちは生きていかなければなりません。
地元の方をはじめ、この映画にはたくさんの方が関わり、大きな想いが込められています。
この映画の中の「送り火」が、明日への小さな「灯」となれば幸いです。

『ある夏の送り火』主演:竹田朋子

 

監督の岸本とは、とある上映会に彼女が観客として来ていた所から始まりました。
若い監督の自主作品に出ていた自分が、その監督にそこそこ良いような事を話したそうで、それを見て「いい人に違いない」と勘違いしたみたいです。
現場では厳しい事を沢山言いました。
一番叱ったのは車の運転ですけど。危ないんだ全く。
今回出来上がった作品は、良い所も拙い所もそんな純粋で危なかしげな彼女の現状全てが詰め込まれていました。
主人公と監督本人が一緒くたになって世界と闘っていました。
最後まで楽しんで頂けると嬉しいです。
そして出来うるならば監督の岸本へ話しかけてやって下さい。
お願い致します。

『ある夏の送り火』出演:川瀬陽太

 

『ある夏の送り火』は、岸本監督が香川県さぬき市鴨庄白方で40年の時を経て復活したお盆の伝統行事「送り火」を知ったことから着想されました。
企画当時、監督は最愛の祖母を失った悲嘆からぬけだせずにいました。
最初に渡された映画の原型となるラフなあらすじには、愛する我が子を失った母親の姿を借りて、パーソナルな経験が色濃く反映されていました。喪失と向き合おうともがき苦しむ母親の姿は、監督自身の姿でもありました。
取材を重ねる過程でみえてきたのは、愛する者の死を悲しむというごく当たり前のことの難しさでした。
ひとは大切なものを失った悲しみとどう向き合えばいいのか。
物語の母親にとって「送り火」がそこにあるとはどういうことなのか。
その見失われてはならない監督の《想い》を描くことこそ、脚本を担ったぼくの役割でした。
この映画を通じて少しでも誰かの悲しみに寄りそうことができればと思っています。

『ある夏の送り火』脚本:堤健介

 

岡山県総社市にて撮影した前作の「HEAVEN」を岡山映画祭で上映していただいたときから、早4年の時が経過しました。また、新作「ある夏の送り火」で私の原点でもある岡山映画祭に戻ってこられたこと嬉しく思います。
「ある夏の送り火」は香川県さぬき市鴨庄白方という小さな漁村にて撮影をしました。これは一本のyoutubeの送り火の動画がきっかけでした。解説には、高度成長期に人口の減少から一度途絶え、40年の時を経て復活したとありました。
当時、祖母の死の悲しみから立ち直れない日々を送っていた私は圧倒され気付けばこの送り火の漁村へ向かっていました。そこで取材をしながら、お盆の意味、その伝統行事を継承していく村の人の想いをひしひしと感じ、これを映画で残したいと撮影に臨みました。
ぜひ、亡くした大切な人を思い浮かべながらご覧頂きましたら幸いです。
最後に、この場を借りてこの映画の完成までお世話になりました全てのみなさまに感謝申し上げます。

『ある夏の送り火』監督:岸本景子

映画『ある夏の送り火』FBページ

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