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#副産物の会 vol.5

ブログでは告知できたりできなかったりいろいろですが、ネットプリントはすくすくと成長し、いまは5号が配信中です。
俳人の松本てふこさんと読書超人みやさとさん(すみません、この肩書きはいま考えました)に互いに積読本を勧め合ってもらう「お前も積読にしてやろうかバトル」、歌人・俳人で文芸同人「北十」代表の音無早矢さんによる「短歌テストステロン」(朗読も聴けるよ!)、そして石原の「ジェンダーアイデンティティとかのはなし」など、盛りだくさんな内容です。
諸事情によりコンビニから入手困難という場合にはツイッターのDMなどでご連絡ください。

#副産物の会 vol.5 セブンイレブン1月1日まで、その他のコンビニは1月9日まで。4ページ80円。
▼ネットプリント(セブンイレブン)
予約番号: 22411323
有効期限: 2023/01/01
▼ネットワークプリント(ローソン、ファミマほか)
ユーザー番号: WMDCTZEFLB
有効期限: 2023/01/09 09時頃

歌会のアンチハラスメントポリシーを紹介します

StockSnapによるPixabayからの画像

Sisterlee寄稿の件と情報提供のお願い のあと、ハラスメント防止の取り組みをしている歌会について何件か情報をいただきましたので紹介します。

▼神保町歌会

神保町歌会ではアンチハラスメントポリシーが2020年2月13日に策定されています。
参加者には事前に目を通してもらっているとのことです。

ここいいな! と思った点を紹介します。

  • 「参加者の誰もが楽しく、安心して集える場を維持するため、策定されました」「誰もが経験や立場に関係なく、楽しくまっすぐに短歌に向き合える場所として維持していくために、ポリシーを定めました」と策定の目的が明確に示されている。
  • 「批評の範疇を逸脱する性的なコメントや、参加者のプライベートな事項を憶測し、踏み込むような発言」が禁止されている。これは短詩型文学の批評においては本当によくあるやつ!「わたしは作中人物じゃないですよ?」の缶バッジが必要なのは作品の内容にかこつけて作者のプライベートに無駄に踏み込む発言が多いからなんだよー!
  • ハラスメント行為に「加担したり、擁護したりすること」も禁止。これ大事。「あのひとは悪気があってやってるんじゃないんだよ」ってよく聞くでしょう? それ禁止です。(あと、悪気の有無は関係ない。たいていの迷惑行為は悪気なくなされるし、たいていの差別は差別ではなく単なる区別だと言い張るし、たいていの戦争は正義の名の下に行われるんだから。)
  • 「不適切な行為を受けたり、判断に迷ったとき」は、「近くの運営スタッフに声をかけてください」「DMやメールでお知らせいただいてもかまいません」と、スタッフが対処してくれる旨が書いてあるので安心感が強い。

▼南極歌会

南極歌会は大学生に向けた歌会の場。神保町歌会版を改定する形でアンチハラスメントポリシー策定したとのことです。「南極歌会は所属や学年などに拘らず全国の学生同士が歌会等の活動を通して交流できる場を提供することを目的として作られました」と歌会設立の目的が入っている以外はほぼ、神保町歌会のポリシーを踏襲した内容です。
ハラスメントというと年配の男性から若い女性に向けられた行為をイメージしがちですが、大学生の男性歌人から女性歌人にセクシャルハラスメントが行われた事例(ずいぶん経ちますが未解決ですよね?)もあるので、学生の参加する句会でこういったアンチハラスメントポリシーが掲げられるのは意義深いことだと思います。
教育の現状を考えると、たぶん高校までは「セクハラ」って単なる冗談のネタで、自分の行動が「ハラスメント」になる可能性なんて考えないと思うんだ。

ところで、以前紹介した現代俳句協会IT部が策定したインターネット句会利用規約は2020年10月20日なので、もしかしたら神保町歌会の取り組みが現代俳句協会にも影響を与えたのかな、と思ったりしました。
現代俳句協会インターネット句会の利用規約はインターネット句会での主催側の権限(迷惑行為を行った参加者の利用拒否や登録抹消)や投稿作品や選評の著作権はどうなるか等、いろいろなことが書いてあって、一部にハラスメント防止の内容が含まれています。いろいろ盛り込んであるせいで、読みたくなるか、読みやすいかという点ではちょっと疑問。「参加者全員にしっかりと目を通して遵守してもらう」というより、「必要なときに必要な部分を確認する」「トラブルが起きたときに対処するための根拠」というような役割の方が大きいのではないかと思いました。

これに対して神保町歌会・南極歌会のアンチハラスメントポリシーは平易な文で短く、目を通してもらいやすい。そこがとてもいいと思います。

なんかこの流れ、現代俳句協会をサゲることにより神保町歌会・南極歌会をアゲているようですが、飽くまでハラスメント予防という観点においてのみ評価しています。そもそも文字ベースのインターネット句会と対面やZOOMの歌会、不特定多数が参加するインターネット句会とある程度参加者の限られた歌会、というふうに条件はまったく違うので単純に比べられるものではないのは承知しております。
ごめんよー! 現代俳句協会が協会全体としてアンチハラスメントポリシーを出してハラスメント相談窓口を開設したらそのときはちゃんと宣伝するから!

実は、短歌に関しては、結社がハラスメント相談窓口を設けているケースもいくつかあるようですが、実際に稼働しているかどうかは結社に入っていない立場からはまったく見えない状態なので敢えて紹介することは控えています。

・相談しやすいような工夫はあるのか(相談した側が結社にいづらくなることはないか)
・開始以来、何件くらいの相談が寄せられたのか
・相談に対してどのように対応したのか、解決されたのか
・結社のメンバーが結社外の人物にハラスメントを行った場合、対応してもらえるのか

など、聞きたいことはいっぱいあるのですが、プライバシーにも関わることなので結社外には発表しない内容なのかもしれない。結社誌には報告が載ってるのかな?
おそらく、ちゃんと稼働しているとは思うのですが!
安心したいので!
「相談窓口あってよかったな〜!」というお話があれば教えていただきたいと思います。

さてさて。最後にちょこっと次回予告。
当方、俳句コミュニティから離れすぎており俳句の情報があまり入ってこないので、意を決して、お返事をくれそうな団体の方に「ハラスメント防止の取り組みをなさっていたら具体的に教えてください」という内容の問い合わせメールを送ったところです。
少し先になるかもしれませんが、お返事が届いたらこのブログで紹介しようと思っています。

というわけで、引き続き情報提供お待ちしてます!
ishiharayukio■gmail.com

※ 男性から女性への発言だけではなく、女性の言動がセクシャルハラスメントになるケースも十分あります。わたし(シス女性)自身、過去に「イケメンですね」「太った?」「痩せた?」等、互いの関係性や相手の気持ちを考えず口走ったことがあり、深く反省しております。