医療過誤相談

2009年11月17日

最近,立て続けに医療過誤に関する相談があった。以前は相談があれば直ちにカルテの証拠保全をし,それによって専門家に相談しながら検討し,訴訟準備を進めていくことが多かった。9月から弁護士会に医療ADRが設立されたので,適切な事案があればこの機関を使ってみようと思っている。最近の2件の相談に関してはこの制度の説明もした。

今日の相談は歯科に関するものであった。私も,よく歯医者に通っている。40代のころ,歯周病にかかったり,虫歯が悪化したりと口の中がさんざんになっていたのである。そのとき,近所の歯医者にいってから,丁寧に歯磨き指導がなされ,いかに自分の歯を残していくかと言う観点からの治療が続いた。未だに定期的にチェックをしてもらい,ダメになりそうな歯をなんとか持たしてもらっている。今日の歯科の治療に関する相談は,そうした歯を保全するという治療ではなく,積極的に歯を削り,歯を補正し,歯を抜いてインプラントにしたが,どうしてもかみ合わせが悪くなって,食事もしっかりとできないし,せっかくのインプラントも調子悪いというのである。なんと数百万円の治療費が支払われていた。治療を求めて,結果が悪くなると言うのであるから,納得できないのは当然である。歯科で健康保険でできない治療はほとんどない。保険の範囲で十分な治療効果が得られるはずである。その保険治療を敬遠して,次々と手を加えていく治療は遠慮したほうがいい。今日の相談者は,被害にあって後に数件の医者のところで治療を受けている。治療を受ける医者が信頼できないという治療にあたって最悪の状態に陥っていたと言って良い。

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