弁護士の逮捕

2010年2月28日

少し前に、自死の連鎖のことを書いた。そういえば,まだ自死に関係した相談を受けていた。始まりはずいぶんと昔の話である。今から20年以上前の話である。妻の夫に内緒のサラ金からの借り入れに関して、夫から相談を受けた。夫は,沈みきった妻に対してできたことは仕方がないとそのことを強く責めることをしないで,負債整理を進める相談が当方にあった。幼い子どもたちの面倒はその相談者が一人でこなしていた。依頼された負債整理にもほぼ目安がついて落ち着いた生活がとりもどされつつあるとき,その方は自死してしまった。それから10数年経過して,今度はその子どもの学校での非行問題について相談がなされた。それもしばらくして落ち着いたように認識していた。しかし、その後のその子の離婚の問題について相談を受けていた。さらに,こんどは、非行が問題になって相談を受け、離婚の相談を受けていたその人からの相談があった。その子、つまり最初の相談者の孫の養育問題であった。既に離婚をしていて,現に育てている子どもとの親子関係に悩んでいたのである。いろいろと相談にのっているうちに相談者の方は3代替わりをしている。しかし、相談は、妻の問題、その子の問題、そしてその子の子育ての問題及び離婚の問題へと連鎖している。私が年を取るのもやむを得ないと納得させられる出来事である。こんなにも自死が関連する事件とは珍しくもなく接していた。自殺者3万人と言われても不思議ではない。

岡山弁護士会の会員が逮捕された。法テラスに接見の水増し請求を行い,詐欺罪に問われたのである。2年以上も前の事実に関して,突然に逮捕された。事案そのものは、弁護士会でも調査をし、事実は確定して,明らかかになっていた。それ故,弁護士会は2年間の職務執行停止の処分を既にだしている。当該の年齢などを考えると事実上,除名処分と同じ程度のダメージのある処分といえる。詐取されたという約30万円は既に当該弁護士から返済されていて法テラスの被害は回復していると言える。普通であれば,いまごろこれ見よがしに逮捕したり,家宅捜索などをしたりすることはない。彼の罪は、その社会的影響は極めて大きく、弁護士の社会的信用をおとしめた責任は大きい。同じ弁護士会の弁護士として、とうてい許すことのできない犯罪であると思う。しかし、証拠隠滅のおそれはないし、逃亡の怖れもない。逮捕の要件は無いはずである。逮捕して故意については争っている供述をひっくり返そうというのであろうか。あるは、逮捕による社会的ダメージを与えようというのであろうか。検察の見識が問われる捜査のあり方ではないかと思われる。この捜査は完全に録画されて可視化されるべきである。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

Links

Calendar

  • 2024年4月
    « 5月    
    1234567
    891011121314
    15161718192021
    22232425262728
    2930