転勤間際の和解

2010年3月25日

年度末の裁判官の転勤時期には和解が多く成立する。和解に期が熟しているような事件,もめにもめて法的整理をするのは困難となっているような事件などは裁判官もできるなら片づけて次に引き継ぎたいと考える。当事者も直接審理を担当した裁判官にできれば判断してもらいたいとたいていの場合は考える。しかし,当方に不利な心証をもっていると思われる事件についてはできるかぎりその裁判官に判断の時間を与えないように訴訟活動を考えることになる。そうした微妙な駆け引きもあるのがこの時期の和解交渉である。

いつでも和解手続きに変わりうるかなと思われていた事件で,転勤の予定されている裁判官が3月にもう一度といれた今日の期日の事件。結局,相手方は徹底的に争うような対応に変化し,この時期での事件の進展を拒否するような対応であった。事件の筋から言えば単に相手方が事件の準備をきちんとしていなかっただけのことであるとしか思えない対応であった。無理して無駄な期日を入れてしまったものだとこの件では思わされた。つい先日,県外での法廷のあった事件,既に2年間ほど審理を担当してきた裁判官の転勤を控えて最後のチャンスでもう一度和解期日をということで裁判官の最後の登庁日である3月30日に期日をいれた。双方が和解に向けて互いの主張をだしあい,裁判官が何とか紛争をここで終結しようという意欲にあふれていた。30日を前にし双方がこの和解案を検討し,当方は和解案を了承するという返事をだしたところ,相手方からも了承との返事がきた。早速,30日には和解を成立させるべく,書記官から条項についての問い合わせがあったりした。こうしていつまで続くかと思われていたドロドロの訴訟は,裁判官の転勤の時期に和解成立となりそうである。この事件での出張にやっと終止符を打つことになりそうである。

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