産廃処分場許可処分取消訴訟

2010年4月17日

産廃処分場建設差し止めの仮処分申請をだしていた。申立人のなかに中学時代の恩師がいたり,同級生がいたりと私の育った地域の事件である。そして,その問題に対して,新たに岡山市の許可処分を取り消す旨の訴えを今日,起こした。

従来,こうした許可処分を争うことができるのは,許認可を受けた直接利害関係のある業者のみに限定されていた。吉永町産廃事件の場合は,業者と県との事件に利害関係があるとして住民が訴訟に参加するという申立をした。そして,その参加が最終的に認められた決定は,最高裁まで争われて,利害関係ある当事者として参加の権利があることが確定されたのだ。当時は先駆的な最高裁決定であり,画期的な決定であった。そして,行政訴訟法が改正され,本件のような場合も許認可に利害関係のある直接の当事者として参加できる道が明文的にできた。その条文を使っての本日の提起である。この改正でもう一つ重要なことは,行政訴訟を提起したときは,その処分を一時停止させることを申し立てることができることである。今回は,この申立をも同時にした。吉永町産廃事件の時に比べれば,大きく制度が前進しているといっていい。吉永町事件でえた最高裁決定がこうした法改正を促進する役割を果たしたのだ。そして,その成果をいままた力にして新たな事件を担当することになったことは感慨深いものがある。

しかし,一般的にいって,行政事件は勝訴の見込みは極めて少ない。平成16年改正までは,勝訴率は6〜7パーセント以下と言われいた。現在は10パーセントぐらいとのことである。諸外国に比べると行政事件は圧倒的に少ない。もっと行政が司法のチェックを受ける機会があっても良いはずである。今回の行政事件も,行政が本当に住民の生活の安全を考えて許可をしたのかどうか,その姿勢が裁かれる結果となるはずである。

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