議院会館

2010年7月23日

議院会館が新しくなって,引っ越しがなされたニュースが流れていた。新しいところは,今までのところよりも数倍の広さがあり,その雰囲気も豪華であるとか。そのことが,無駄遣いではないかというのが各報道の視点である。

今までの議員会館の議員の部屋は,ドアを開ければすぐのところに秘書の机があった。コピー機やFAXなどが置かれていて,その部屋にはもはやそれまでで,その他のスペースはなかった。そして,その奥にすぐに議員の座る机と椅子。その前に応接セットが置かれてそれで一杯だ。どこで仕事ができるのだろうか,どこで,打ち合わせをするのだろうか,国会議員はそんなにも資料が手元になくても仕事が可能なのだろうか、秘書もかろうじて座るところがあるという感じであった。その2部屋だけで,その他に全く余裕のない状況であった。

多くの国会議員の東京事務所を兼ねる議員の働く場所が,そのようなところでは恥ずかしいかぎりであると思っていた。もっと広くて当たり前だし,国政を預かる人々が日夜仕事のベースとするところであれば,それなりの格式は必要である。議員定数削減の意見がでているなかでの改修にも異論があったようだ。いつのことになるやもしれない状況で,それを待つというのもどうだろうか。国会議員の活動のベースがこのくらいの広さが確保されて,これくらいのセキュリティが確保されて,これくらいの格式があってもそんなに目くじらをたてることはないのではないかと思った。経費節減となんでも非難すれば,ウケがいいとの報道姿勢のように感じられたが,どうであろうか。

古い議院会館にはじめてはいったのは、18才の時である。大学入学手続きをするときに、東京での保証人2名を必要とした。父の指示で地元出身のふたりの国会議員のところに保証人をお願いしに行ったのである。ひとりは、岡山1区の現職議員の祖父にあたる議員であった。役所に勤務していてなにかと接触があったみたいであった。その日のうちに大学入学の手続きを終えて、大学の紹介で下宿も決めて岡山に帰った。電車にのるのも外国にでもでかけたような緊張感をもって過ごした東京での一日であった。与党は自民党以外になることはないと思われていたころのことである。そのころの国会議員にはあのスペースでもきっと十分だったのだろう。世界は大きく変わり、グローバル化し、東京との距離感もずいぶんと違う。新しくなった議院会館は、今の国会議員の活動を十分に保障するものとなっているだろう。秘書をしている長女も参議院選挙のさなか、引っ越し準備もあったようだ。その変わり様を一度は見にいってみよう。

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