簡単な事件はない,,,,,

2010年8月8日

依頼を受けるときに,法的な解釈の争いがなく,事実として明白だと思われる事件だと,解決までのだいたいの筋道が予測でき,引き受けるときの気持ちも軽くなる。しかし,そうはいっても,たいてい我々のところに持ち込まれる事件は,そう簡単に終わらないのが常である。軽く引き受けた事案がおもいの他,てこづるはめになることはよくある。いま,いくつかのそうした事件を抱えてしまっている。

ニューヨークの裁判所での遺産相続問題。引き受けて既に3年近くになる。じつはまだ解決に至っていない。しかも引き受けるときは,手続きはすべてアメリカの弁護士がするので,その経過を見ておけばいいと言うぐらいのことで引き受けた。しかし,内実は既に日本の法制度についての鑑定意見書のようなものを2通だしている。日本での相続関係を調査し,戸籍謄本を確保し,公的認証を受ける手続きなどいくつもの作業がはいてくる。査収段階に至って,またまた難題が持ち込まれている。

離婚の合意ができているがその合意内容を文書にして欲しいと言う相談であった。合意に達しているのであれば簡単なことである。その合意文書もそんなに手間のかかることではない。これも簡単に受けた。そんなに簡単に合意ができるわけはないのである。それをそうだと思いこんで相談にきているのであるから,簡単な問題として事件を受任するのはそもそも判断の誤りがあったと言っていい。これはどうやら本格的な争いになっていきそうである。

医療過誤事件。示談交渉していたが,当初から裁判になるとは考えていなかった。交渉においてもほぼ合意に達した。さて示談書を交わそうとしたところ,当方の側は法律的には当事者になり得ない方と判明した。さて,そんなことで示談が成立するだろうか。額の合意に達したのだから,なんとか示談成立させたいが,法的には複雑な経過をたどることになった。あらため医療機関側との交渉を必要としてくる。

労働災害事件。損害の計算で法的見解の相違が対立している。これは比較的簡単な事案と思っている。そのつもりで引き受けた。さて,これは複雑化するだろうか。相手の支払い能力だけの問題で単純なものと理解しているが果たして,,,,,,。

いずれも,今日チェックしていた事件のことである。

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