2010年10月25日

先週,岡山市の無料法律相談を担当した。午後1時から午後4時までの担当である。随分と前のことではあるが,担当者にはお茶と途中でコーヒーがだされていた。いつのころからは人員削減と経費削減からか,お茶だけになり,やがてペットボトルのお茶だけが置かれている状況になっていた。今回は,ペットボトルの水が相談室に置かれていた。ラベルの説明を見ると,三野の水源地の浅井戸から取水した水を熱処理したものだとのことである。つまり,普通の水道の水なのである。これは,水道の水をわざわざボトルにつめてお金をとってのますパロディかとも思いながら飲んだ。

自宅でも水を購入して,水だけを飲むときはこれを飲む。これは,うまいと感じる。しかもお金を払っての水なので単純な水道水よりは安全だという信頼感がある。その信頼感は,虚妄なのかもしれないが。三野水源池の水は旭川の伏流水である。その旭川の源流の一つの一角に産業廃棄物の最終処分場がつくられようとしている。今,建設差し止め事件として担当している御津の管理型産業廃棄物処分場である。業者は,この施設から水が漏れることはなく,安全だという。管理型処分場からの漏出水によって,水が汚染されるという事件は全国でいくつも起きている。しかし,業者は安全だと言い切る。いくら安全だと言われても,ここで漏出水による汚染があれば,三野の水源池,つまりは我々岡山市民の水道水が汚染される危険にさらさえることになる。少なくとも,直下の住民の簡易水道の取水源が汚染されることは明白である。よもや,裁判所は,絶対に汚染の危険はないと言い切ることはできないと思うのだが,,,,,。

しかし,気になることがある。この事件は,岡山市を相手として建設許可を争う行政裁判も起こしている。代理人には,岡山市の代理人のみならず,国側の代理人も実質的についているのである。全国的に統一した対応を必要とするとの理由からだ。上水道の水源に廃棄物処理場を作ってはならないということが,一般化すれば,日本のほとんどの山間部は水源となっていて山間部を狙って廃棄物処分場の建設が行われている実態からみるとその影響は大きい。本当は,山間部に作ることは水の安全を考えると不適のはずである。この処分場は絶対作られてはならない。しかし,差し止めの影響は本質的に大きなものとなる。普通に岡山の水道水の安心感をいつまでも持ちうる環境でなければならない。

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