産廃処分場建設禁止の仮処分は却下

2010年12月24日

却下の決定ならば,事務所で予定がはいっていたのであるが,現地にいかなければと思っていた。却下の意味をきちんと伝える必要があったからだ。こうした事件で,住民側の申立が認められる例は少ない。それ故,この結論はあるうるものとしてある程度は覚悟していた。しかし,住民の人々にとっては,これほど危険な施設を,信用できない業者がつくることを裁判所が認めるはずはないと確信をもっていた。その結論との落差に,戦いはこれからなんだということをきちんと説明しておきたかったので,どうしてもでかけようと思っていたのである。

午後2時過ぎに決定書を受領した。却下の主文はすぐに読み取れ,夕方の現地行きを確定させた。決定理由を読んでいくうちに,情けないないほどに説得力に欠ける却下の理由しか書かれていない。いろいろと住民側から問題点の指摘されている箇所は,簡単にそのような心配のないように対応することになっているから危険性はないという論法であり,既に問題を起こして信頼性のない業者だという具体的な事実の指摘に関しては,写真など客観的な資料さえも無視して,業者の信頼性を疑う事実はないと言い切っているのである。豪雨など平均値で考えられない雨量に対する対策も,通常発生する範囲の対策ができていいれば問題ないと言い切っているのである。読めば読むほどに腹のたってくる判断内容であった。

住民の人々も同じ思いを持っていたようだ。今日の集会は,却下という結論に,いったんは落胆した住民の人々も,この判断内容を知って,逆にこれからまだまだ頑張らなければという決意を固める決起集会となった。この日,業者は,産廃処分場の場所に近接して建設に賛成している地域住民の人々を温泉に招待して飲み食いをしていたそうだ。地域を守ろうとする運動には,常にこうして「金」の力で分断し,地域の未来を金の力で奪っていくことはつきものである。たぶん,この産廃処分場計画が無くなるまで,この住民の反対運動は終わることはないだろう。

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