やらせメール、やらせ発言は枝葉の問題

2011年8月1日

九電のやらせメールやどこやらの市長のやらせ発言問題が大きく報道されている。しかし、これらは当然に予想されていたことであるし、いまさらながらにこれを追求しているのは滑稽でさえある。原爆の原料となるプルトニュームはウランを燃やすことによって発生する。まずはこのプルトニュームを確保できる立場に日本もいる場所を確保したかった。平和利用の名のもとに原発が次々と作られた。そのプルトニゥムはフランスに委託して再処理され、それを利用する高速増殖炉は全くめどがたたない。エネルギーのリサイクルだなどとこの高速増殖炉の安全でエコなイメージを多くの広告媒体をつかって振りまいていた。岡山では1990年に高レベル放射性廃棄物の処分場を岡山に作らせないための条例をつくるよう求める直接請求運動がおきていた。有権者160万人のうち、36万人の署名が集められた。民意はこの「放射能はいらない県条例」をつくれというものであった。しかし、議会はこれを拒否した。その背景には国の大きな方針があり、原発を推進していく大きな利益集団があったからだ。この条例制定運動のさなか、集会には必ず中電の社員が監視にきていた。警察までもが動いていた。おかしな話である。

国の推進の確たる方針があり、そのための世論操作が巨額のお金を使ってなされ、札ビラで住民の同意意見を買いあさり、経済、産業までも管理してきた。圧倒的な力をもって推進してきたのである。このようななかでも、小出先生ら良心的な学者は、そうした住民の運動の大きな力になってくれていた。私たちも学ぶところがおおきかった。1993年には「長時間の全電交流電源喪失について、炉心損傷等の重大な結果に至る可能性がある」と原子力安全員会が指摘していたにも関わらず、かねて危険性を訴える主張存在をも無視して公表していない。こんなに犯罪的なことがあっただろうか。少なくとも丁寧にこれらの声をすいあげ、きちんと対応していたら今回のような事故は起きなかったとも言える。

しかし、こうして国家ぐるみで推進し、国家ぐるみで世論操作をし、危険性を訴える主張に蓋をし、司法の場においてさえ、ほとんど国よりの結論となっている。こんななかで、やらせメールがどれほど責められることだろうか。責められるべきはもっと別のところにある。そして、この状況のなかで、菅総理が脱原発をはっきりと言ったことはこれまたすごいことだと思う。自民党政権であれば口が裂けても言えないことではないか。自民党が政権をもっていた時代に大きくすすめ、原発シンジケートの一番の利益者であったと思われるからである。

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