トマトは丸かじりにかぎる

2006年6月30日

5,6年も前のことであろうか。あるテレビキィー局のディレクター経験者の負債整理を担当した。テレビ番組取材現場でのスタッフへの弁当とかあるいは慰労会とかの費用を立て替え、それが清算不可能な種類のものとなると結局は自前となる。少しルーズにしているとそうした費用に使う金額が生活を圧迫するようになり、不足をサラ金に頼るようになっていつのまにか闇金に手をだすようになったのである。多額の負債を抱え、郷里に戻ってきて整理をした。今は落ち着いて全く異なる業界で働き信頼をえている。その実家は農業を営んでいて、夏は実家で穫れたトマト、秋になると新米をそれ以来ご挨拶とともに届けていただいている。いつまでもご挨拶にきていただくことに大変恐縮している。でも本当にその人にとっていい仕事ができたと思い、嬉しい出来事である。rnrnということで、きょうはトマトが届いた。ももたろうトマトという岡山のブランドトマトである。果物のように甘く皮は薄い。私はトマトが好きだ。それも丸ごとかじるのがうまい。サラダに薄く切っておいてあるものはあまり食べたいとは思わない。小さい頃、自宅の前の畑で少し異様な臭いがし、茎がべとつくようなトマトの茎からゴツゴツとしたトマトをとってもらい、それをよくほうばっていた。決してそのときはうまいとは感じていなかったが、いまは丸かじりでほおばり、かすかに香る青い味を確かめながら食べるのは最高である。幼きころの田園風景を思い出させる。でも今のトマトは上品だ。傷はなくまるく輝く薄い皮のトマトだ。しかし、やはりトマトのDNAが確かにあることがわかる。冷やして、うんと上品になったトマトをかじりながら、幼き頃の思い出といつまでも感謝していただける喜びとを感じながら至福の感覚を味わうのである。

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