政治の変革の胎動?

2007年7月31日

参議院選挙は自民党の大敗,民主党の大躍進という結果であった。参議院での自民党の第1党が崩れたわけである。2大政党制への移行の兆しか,はたまた自民党の失態が故の珍事に終わるのか。折しも今日は小田実氏の死亡が伝えられていた。

参議院選挙前の横暴で強引なおごりに満ちた自民党の国会運営,相次ぐ重大な大臣の失言,政治と金の問題についてのおざなりな対応などゆるみきった自民党の態度でありながら,戦後レジュームからの脱却とか美しい国日本などとピントのはずれた安倍首相の言葉だけが踊っていた。そんな自民党に愛想をつかして今回は民主党へと票が流れたのであろう。「姫の虎退治」と語呂のいいキャッチフレーズは知名度に劣っていた民主党の新人にとってはおもしろいものであった。今回は敵の失態の大きさが民主党に有利に働いたのかもしれないが,本当はしっかりとした政策論争でなければならない。政権取りだけのためにいろいろな作戦が先行することに政治のいやらしさもみえてくる。本当に政権を2大政党で競うことになりうるよう自民党にも民主党にも大きくこの政治状況のなかで成長して欲しいと思う。ともあれ,今回の民主党の躍進は,一定の緊張感を継続的に政治にもたらす効果があったのは間違いない。これからの国会が楽しみとなった。

小田実氏は,ベトナム戦争に協力する米国一辺倒の自民党与党が圧倒的な力で支配し,閉塞した国会運営がなされていたなか,個人個人の行動によって大きな反戦の世論を作り上げ,国会の外で平和運動を盛り上げて,国の政策にも影響を持った人であった。その行動形態には当時の我々若者に大きな影響を与えた。この人が死亡したと同時に彼が描いていた形とは異なるが新しい政治が生まれようとしている。多くの国民が今の政治を変える必要があると考え,その思いを思想信条を超えたところで具体的に投票行動に表してきたとはいえないだろうか。小田実さんは,もしお元気であったならこの事態をどう分析し,行動しただろうかとふと考えた。

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