裁判所も忙しい過払い請求

2007年8月23日

岡山地方裁判所倉敷支部で審理されていた商品先物取引会社との差損金請求,損害賠償反訴請求事件が岡山本庁に回付され,合議体で審理されることになり,倉敷から回付されて3ヶ月ほど経過した今日,本庁での初回期日があった。事案はある先物取引会社が顧客には売りばかりを薦め,裏では自社が反対玉をたてて,組織的に膨大な損害を顧客に与えたという事案であり,同種事件が全国的には30件近くおきているというものである。決して単純な事件ではないが,なぜ岡山の本庁でしかも合議体で審理されることになったのか事情を確認してみた。

どうやら,倉敷支部で消費者金融相手の利息制限法違反の支払い分の返還を求める過払い請求事件が非常に多くなり,一般事件の審理を圧迫するようになったため,複雑な事件などをまとめて岡山地裁本庁に回付したことのようである。過払い請求事案がいかに多いかということである。地裁の事件であるからもちろん140万円以上の請求になっているということだ。私個人だけでも今年にはいって既に過払い請求で消費者金融から1000万円ぐらい返還を実現しているのではないかと思う。それほどの金額が会社からはき出されてよく会社はやっていけるものだと思うし,それくらい違法に高金利を支払い続ければ破産するのも当然であるとも思う。もうすぐグレーゾーン金利は消滅することになっていて,この種事件も減ることになると思う。そう言えば,ある週刊誌に著名な学者から弁護士に転身した人が過払い請求を引き受けますという大きな広告をだしていた。この人は,実は消費者金融会社などの顧問弁護士をしていて,グレーゾーン金利は違法ではないなどという論法を展開していた人である。その人が,今の違法金利であると最高裁で確定して返還されるべきものとなれば,普通に,請求する側でコマーシャルまでして「事業」を展開している。おそらく背後で操る者がいると思われるが,何でも儲かると思えば手をだしていくというどうしても理解しがたい人種はどこにでもいるものである。

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