横暴な「企業」

2007年8月27日

今週2件の気になる訴訟を提起する。この訴状の検討をしていた。この作業に要する時間は正味3時間程度であった。この程度の時間ならウィークディにかき集めれば浮く時間である。しかし,記録を読んで全体の構成を考えて整理していく作業は,まとまった時間がなければうまく作業ができない。こうした休日に検討する時間をとることになる。普通の日にはいつとはなしに電話がかかってきたり,法廷に出かけたり,事務所での打ち合わせ,相談がはいりその隙間にまとまった仕事をすることがどうしてもできないからだ。これをうまくやりきれる人もいるのかもしれないが私には無理である。考えのまとまらない事件については,机に向かう前に頭の中で構想を練る。こうゆうことは隙間の時間にいつでもできる。そのようにしながら考えをだんだん頭の中で整理し、まとめていく手順を準備していく。そこまでいくと隙間の時間を利用して一気に書面書きに取り組めることになる。きょう,検討した2件はほぼ完成に近いものとなった。

1件は,労働組合をつぶすためにつぎつぎと不当な処分を繰り返してきた会社相手の事件である。この組合に関してはいくつもの訴訟手続きをして全員が円満に会社で仕事をすることになったにもかかわらず,その後もあらたな処分をくりかえし,嫌気がさした従業員が自ら辞めていくなどして,30名ばかりいた労働組合員はわずか数名しか残っていない状況となってしまった。今度の訴訟は,自らの意思で辞めていった従業員に対し,退職金は懲戒処分だとしてその支払いを拒否した事案である。20年以上も勤務し,成績優良として何度も社内表彰を受けていた本人の怒りはよく理解できる。高額の精神的損害を支払わさせて欲しいと強く主張している。新たに始まる裁判,経営者として何が必要か,依頼者と怒りをともにしてそのことを明らかにするように頑張っていきたい。

もう1件は,住宅地の土壌汚染の事件である。これはできるだけ広く事実を知ってもらい,世論の力で解決に向かうようにしなければ,なかなか手強い事件である。あるテレビ局が取材をして報道しようとしたところ,同社に対して,被害者の素性など誹謗中傷する情報をもちこみ,報道を中止させている。被害がないのにあるように言って単なる金ゆすりの人たちであるかのように宣伝しているのである。この種事件にはよくある出来事である。相手は県内財界を支配する有数の企業である。しかし,企業は土壌が汚染されていたことを知りながら,利益のためにこれを造成し,危険な土地であることを秘して販売したのであった。労力としても大変な訴訟が始まることになるが,被害者を励ましながら真実を明らかにして,是非とも被害救済に導きたいと思っている。これは金曜日に提訴の予定である。

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