新司法試験合格祝賀会

2007年9月29日

岡山大学法科大学院の新司法試験合格祝賀会があった。10名の合格者がでたことで面目がたったと関係者一様にほっとされていた。私は選択科目であるが非常勤講師として消費者法を担当していたので今日の祝賀会にご案内があった。

祝賀会であり,苦労の末合格したのだからはじける嬉しさが表現されていていいはずであるが,挨拶ではしっかりと修習終了後の就職の依頼をするなど,法曹界の厳しい就職事情が合格の嬉しさをも半減させているのだろうか。岡山でも今年目一杯どこの事務所も新しい弁護士を引き受ける努力をしていて,なかなか来年さらに新しく受け入れることのできる余裕が少ないように思われる。さらに新司法試験は従来の試験とは異なり,旧司法試験合格組に比べ法的素養が未成熟であると言われていて,旧司法試験をとおってきたわれわれは今ひとつ信頼がおけないと気持ちもある。養成制度が異なるのだから異なった能力を持った人たちが合格することになるのは当然である。その異なった能力が理想とされる法曹像により近いものになっているとすれば司法改革は成功であったといいうる。この評価はまだわからない。今日合格した人たちが新しい歴史をつくりあげてっくれることになるのだろう。

合格していた10人のうち2人が私の担当した消費者法を選択していた。一人からは「とても刺激を受けた講義であった。消費者のために戦える弁護士になりたい」と話しかけてくれた。幾分お世辞もあったのだと思うが,こう言ってもらえることは嬉しい。人から積極的な評価を聞くことができるのは誰からであっても悪い気はしない。講師をやって良かったと思った瞬間である。そういえば,今日岡山地裁であった大手商社を相手とする事件でその大阪の代理人に事件の終わったあと挨拶をしたところ「先生のご高名はよく伺っています」ときた。これは慇懃無礼な挨拶で,こうした挨拶をもらって嬉しくなることはない。せいぜい「悪名は良く聞いています」ぐらいのことと考えておかなければならない。

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