知財研修

2006年10月30日

今日は1日日弁連の知的財産法関連の法改正の動向について衛生中継をつかったライブ研修があった。参加者は少なかったが、私も全体的な動向だけは掴んでおこうと一部の講義を聴いた。知的財産というのは特許法、実用新案法、意匠法、商標法、著作権法、不正競争防止法などで規定されている権利である。2002年に小泉首相が知財立国宣言をして次々とそのための政策立案から実行されてきている。法律がめまぐるしく変化している分野である。訴訟の管轄、システムにも大きな変化があった。裁判に要する期間もかなり短くなった。今日のライブ研修も知財に詳しい弁護士を増加させるという「国策」のなかで実施されていると考えるべきであろう。rnrnしかし、我々マチベンにとってはなんとなくしっくりしない。もともと特許など知財はその目的は人類の幸福のために利用される公共物として扱われるべきものである。これを公表して多くの人が利用できるようにし、その対価としての特許料などの権利を発生させる。秘密にしなければならないものはそもそも法的保護にならない。知財立国というとなぜかこの知財を独占して多くの利益が上がるようにしていくことのように思える。人類が広く利用して幸福のために役立つ知財を保護していく基礎をつくるという根本が押さえられていないような気がする。知財の問題が、発光ダイオードの発明報酬の巨額さなどだけに注目が集まるようだとその本来の存在意義がなくなる。知財に詳しい弁護士を養成することがこうした利益擁護する法律家を育てることに意味があるとすれば、法曹の質を変えていくものとなるのではないかと思う。著作権など非技術系知財は各地の地方裁判所で審理できるが、特許とか実用新案と呼ばれる技術型知財は基本的に大阪裁判所と東京地裁だけで審理されることになった。私など地方の弁護士は、扱う機会はほとんどなくなったのではないかと思われる。rnrn法律家向けの雑誌ジュリストの最新号に前国会で成立した法律の紹介の連載記事のなかで探偵業の規制法律について解説がでていた。探偵業務とは「他人の依頼を受けて、特定人の所在又は行動についての情報であって当該情報に係るものを収集することを目的として面接による聞き込み、尾行、張り込みその他これに類する方法により実施する調査」をいうそうである。料金トラブルなどの相談を受けることがある。我々の弁護士費用などよりもはるかに高い設定となっていたり、料金体系があいまいであって、結果的に多額の料金の請求を受けるというものである。届け出制なのでほとんど誰でもできて、その規制はゆるやかである。利用するには充分に業者と条件を打ち合わせて行うことが必要だ。いま受任している事件で会社側が従業員をこの探偵社をつかって尾行をし、その資料を裁判所に提出したということがあった。高い費用を使って従業員の動向をわざわざ調査するとは、こんな会社で働かなければならない従業員は本当に不幸であり、こうした経営者の会社に発展性はない。昔、「少年探偵団」などの本を読んだことがあり、探偵になってみたいなどと思ったこともある。探偵業はかっこいいものではなく、他人のプライバシーをあばくやばい業務が中心となっていることを利用する側も考えておかなければならない。

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