遠い昔の面影

2008年4月25日

数日前,小学校時代に私より3つ学年が下であった人から,法律相談があった。なんともおかしいのは,会う直前まで頭に描いていたイメージは,小学校のころのイメージでしか考えられず,会って顔をみて,当たり前であるが,それなりに年を重ね,落ち着いた雰囲気で現れたことであった。小学校へは,おそらく40分以上もかけてまだ舗装されていなかった国道を歩いて通っていた。通学路にある広い「かど」のある家に集合し,列をつくって並んで,上級生が列の安全を確認しながら,通学していたのである。このころ3学年違うことは,相当な違いに思えていた。わたしは,その人に対しては,いつも面倒をみる立場にあった。一方的に面倒をみなければならなく,少々やんちゃで,鼻をいつもたらしていたそのころのイメージを,思い浮かべて会ったのである。その人は,いまや,地元の名士として公的な行事では来賓として呼ばれている立場にある。

今日は,その小学校時代の同級生の女の子の弟さんの破産事件の処理がすべて終わった。この子も,いっしょに列を作って通学していた子であったが,なかなか上級生の指示には従わなかった。でもこのころの下級生は,そんな抵抗したりする子がかわいいとおもったりもしていた。事業に失敗しての破産宣告であったが,無謀な資金管理や,一時的にギャンブルにも手をだしたりもしていた。免責不許可事由があると言われても仕方がなかった。しかし,申立からかなりの時間が経過し,一定の配当も実現し,債権者の人たちもある意味あきらめがあり,平穏な生活を取り戻した現実のなかで,管財人は裁量免責が妥当であるとの意見をだし,裁判官もそのように処理することに問題がないという考えで,本日手続きの終結をみた。相談にきたころのすさんだ,それでいて眼光の厳しさをもっていたが,今日は穏やかな表情を浮かべて,互いに小学校時代のころの話題を話すことができた。免責まで無事進行するかどうか,心配な事案であったが,こうした結果を迎えることができ,安堵した。同級生だった彼の姉は,既に亡くなっている。

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