気になった依頼者

2008年7月30日

債権仮差し押さえ申立書,損害賠償請求事件の訴状,境界紛争に関わる最終準備書面と明日提出となる書面作成を予定の間にこなした。ほぼ勝ち目のない控訴審の初回期日があった。原審では全く問題とされず,しかも法的には基本的な事項について,それを無視した論理で争われてきていた事実関係について裁判官から指摘があった。すぐさま,なんとか主張を整理しなければと考え,今回の指摘を踏まえ,主張を次回までにせいりすることとした。午後は,法科大学院の試験であった。まだ答案のチェックはできていないが,熱心に最後まで答案作成に取り組んでいた姿が嬉しい。

私が、事務所を離れて外出している内に,事務所に最近,免責決定を受けた人がお礼の挨拶に寄られていた。免責を得られるまでに長い期間と,大変な思いをした。私も,免責決定書が送付されてきたときは,本当にほっとする気持ちになった。交通事故で重傷を負った。後遺障害があり,力仕事はできない状況となった。体力を使わなくてもできる仕事をと損害賠償金を元手に高利貸しを始めた。よからぬ連中との知り合いにもなってしまった。やがて,その貸金業も苦しくなっていった。法外な高金利と、弱者への貸し付け、激しい取り立てがなければ成り立たない業界である。資金をヤミ金の高利金融に頼るようになり,またたく間に,借金生活となった。貸し金業者が貸金業者に追われることとなったのである。そのころ私のところに相談にきた。暴力団関係者から追われる身となったのである。破産宣告申立を阻止しようと本人を囲ってしまう時期もあった。打ち合わせ中に警察を呼ばざるを得ないこともあった。債権者集会にはいつも警備がついていた。自宅の窓ガラスが破られる事態も続いた。そんな事件で,やっと免責決定を得られたのである。よかった。喜んでお礼に来てくれることは本当に救われる。大変な事件であっただけに,こうしてお礼に来たいただけると嬉しい。

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