法科大学院の行方

2008年9月25日

きょうは,日弁連の司法改革実施対策本部の会議に参加してきた。今日の議論の中心となったのは,最近の法科大学院をめぐる報道でもあきらかとなってきたが,法務省,最高裁,文科省,法科大学院協会などからさまざまな観点で意見が出され,大学院の合併,廃止などが具体的な課題となってきている状況で,日弁連としてしっかりとした意見を述べる必要があるのではないかということであった。議論の参考のために,法科大学院での非常勤講師として講義を担当している経験から,この法学教育のありかたについて考えていたことを報告させて頂いた。

この議論には,いろんな背景をもって語られている。毎年3000人の司法試験合格者を出しても就職先はないのではないか,旧司法試験合格者に比べて質の低下が著しいのではないか,合格者の少ない大学は廃止すべきではないかなどの議論である。しかし,なぜ法科大学院をつくることになったのか,なぜ法科大学院が全国的に配置されるようにしたのか,こうした司法改革の原点を忘れた議論になってしまっている。法科大学院で,少しでも多くの人が合格できるようにするために,講義の内容が旧来の予備校化してきている現状も報告された。原点に返った議論を今一度整理して,そのなかからこれからどのように改善していくのか議論をつめていかなければならない。そもそも法科大学院は実務と法理論の架け橋となるべき場所であり,法曹一元の実質的基盤形成にその意義があったはずである。そのところからはずれての議論がなされているのが残念である。どのようにしてこの本質的な議論のなかで,今回提起されている問題を解決できるか,それが今後の議論の課題である。

先週末までに届けてもらって,その資料を参考にして遅くとも今朝までに提出しておかなければならない書面があった。しかし,やむを得ない事情が発生し,その書類が届いたのは,私のいない今日のことであった。その書類の内容について事務所からの連絡があり,会議の始まる前,空港での待機時間,飛行機のなかなどで時間を見つけながら一応の書面を起案した。出張の行き帰りのときは,いま執筆を依頼されている「火曜だよ,通販生活」の法律相談の原稿を書いたりして気分転換をするのが常であるが,今回は厳しい書面を移動中にしあげることとなった。なんだか,きょうは疲れた。

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