本当に悪い奴ら

2008年10月24日

振り込め詐欺の被害がいっこうに減らないと報道されている。お年寄りに孫を装って,交通事故の示談金を振り込ませたり,銀行カードの安全性を高めるためにと銀行カードを取り上げたり,よくも善意の人を騙すことを巧妙に考えたものだと思う。小さい頃,いたずらにちょっぴり騙してからかっておもしろがったことがあった。これは,一瞬,困惑し,その後の笑いのギャップが見ていて楽しかった。しかし,この振り込め詐欺はそんなものではない。人の善意を逆手にとって,大切な老後の蓄えを奪ってしまうのだ。しかも綿密にそのことを計画して実行しているその姿を想像するだけで,おぞましい。人はこんなにも悪者になれるのかとおもってしまう。

しかし,最近の投資などの金融商品の販売もこれと似たような体質を持っているものが多い。商品先物取引は,業者の手数料稼ぎでしかない。客観的にみて,70パーセント以上の人が損失を蒙って終わっている取引を,絶対儲かりますと薦めて,商売するのだから,詐欺のようなものだ。しかも,勧誘相手が,取引の内容もあまり理解できず,老後の資金そのものを狙う高齢者相手となれば振り込め詐欺とその体質は変わらない。私の事務所でも何件か現在も裁判を抱えているが,相談を受けるたびにいつもそう感じてしまう。

今日は,外国為替証拠金取引(FX)に関して,業者との交渉をした。依頼者は同じような被害に1年ほど前にあい,その被害を私の事務所で交渉して返還をうけたばかりであり,その回復したお金をまた違う業者から勧誘を受けて,被害にあったというものだ。依頼者は,安心して任せて欲しいという勧誘ともっともらしく書いていたきれいなパンフレットを信頼してしまったのであろう。一度被害に会った人は,2度目の被害に会いやすいと言われいるが,まさにそのとおりである。今日の交渉は,最初から詐欺ではないかと当方から言い切っての交渉である。取引の実態については細かい話はせず,詐欺ではないと言い張るだけである。しかし,基本的に当方の出資した金額を返還するという話であった。しかし,その被害についての認識に食い違いがあり,交渉は継続されることになった。詐欺については,内容的には否定はできなかったはずだ。こうした業者は,被害がでて規制が厳しくなれば,なんとか規制のかからない方向へとシフトしていく。ロコロンドンの金取引などはまさにそうした取引だ。

悪い奴らは,ほんとうにいるものだ。いつもどうやって,善意の人の資産をまきあげようかと知恵を絞っている人たちが結構いる。そう言う人たちとの戦いがいつまでも続くのが我々の業界でもある。そして、今また、新たな外国為替証拠金取引によって、有料老人ホームに入所するために蓄えていた資金を失ってしまった被害の交渉を開始の準備をしている。

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