歴史の大ロマン「銀文字聖書の謎」新潮選書

2008年11月27日

今週は連日,夜の日程がはいっている。きょうは,来年10月に岡山で開催される中国地方弁護士大会の懇親会の趣向について協議していた。このテーマであれば,飲みながらの話の方が話が進む。シンポジュームのテーマが「食の安全」と決まったところでもあり,懇親会の食事は地産地消で,だしものも当会の芸達者な人たちによる自前でという方針で次々とアイデアがでてきた。しかし,アルコールがはいると,年のせいか疲労感を覚える。

眠る前にいつも同じCDをかける。このCDの数曲を聴くうちに眠ってしまう。バッハの名曲10数曲のおいしいところだけ収録されているものである。最近は,眠ってしまう前に1冊の本を数ページ読んでいる。ドイツ文学者小塩節著「銀文字聖書の謎」である。先日,この人の講演を聴いたばかりだったので,大変親しみをもって読むことができる。歴史で「皆殺し」375年と覚えたゲルマン民族の大移動を背景に,文字を持たなかったゲルマン民族が,ギリシャ語の聖書を一人のゴート人(ギリシャ人とのあいの子)がゴート語に訳して残した。それがドイツ語,英語などへ発展していったというのである。このあいの子ウルフィラの生涯をたどり,奇跡的に残されていた羊皮に銀文字でゴート語で書かれていた聖書の謎を明かすというものである。ヨーロッパが形成される大きな流れの源流を,一人のゴート人のきらびやか才能にたどり着くというのがおもしろい。今日も,遅いけれどもきっと数ページは読んで,3曲ぐらいは聴いて眠りにつくことになるだろう。

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