自宅前の大学通りは，引っ越しの車の出入りが多く見られる季節となった。両親と一緒の新入生らしき学生の姿もよく見られる。こんな姿をみているとこちらもなんだかうきうきと嬉しくなってくる。ロースクールの前期の「消費者法」講義を担当している。これも４月から始まる。今年で担当し始めて４年目になるであろうか。１０数名の受講者で，ゼミ形式で講義を進めてきていた。ちょうどいい人数であった。きょう，新年度の受講人数の報告があり，例年の倍の人数となっていた。たくさん受講してくれたこと自体は嬉しくもあるが，ゼミ形式で一人一人の思考過程をみながら論議していくと言う方法はなかなか取れなくなってしまうのではないかと危惧している。採点にもエネルギーを使うことになりそうだ。少し考え込んでしまったが，弁護士の仕事の「楽しさ」を一人でも多くの人に伝えられる機会だと思うと力もはいるというものだ。私にとっても，期待をもった新学期が始まる。
夜は，ＮＨＫＢＳで映画「十戒」をみた。途中、休憩のはいる4時間近くもある大作だ。もう５０年も（半世紀だ！）前に今でもある東京・日比谷の丸の内ピカデリーで観た映画なのだ。もちろん初めての東京であった。夜行列車の普通の座席に座っての上京であった。田舎の公民館でのチャンバラ映画ぐらいしか観たことのなかったころ，ハリウッドの総天然色大パノラマ映画を，都会の映画館でみたことは忘れられない。映画館に入場するのにエスカレーターがついていた。初めてみる動く階段であった。旧約聖書の有名な物語の映画化という話題を呼んだ映画だったが，私にとってはこの映画を観た背景とともに思い出されるなつかしい光景である。