こんなものが爆発?

2009年5月29日

債務整理の相談を受けていた。そのような債務を負うに至った経過を詳しく聞いていた。そうすると始まりは数年前に日常的によく一般に使われている製品が枕元で突如爆発を起こし,火事となった経験から始まった。その時の恐怖からいまだに立ち直れないでいる。しかも当時,その製品の販売会社に懸命に対応を訴えたが,無視され続けてきた。そのことがまた本人をずいぶんと傷つけている。インターネットを利用した詐欺にかかり,とんでもない額の負債を抱えこんだ。そんなことから当方へ相談にきた。相談の最後に爆発したその製品の部品を大事そうに持ち出し,いきさつを話し始めた。実はこのことのけじめをつけたいというのが相談者の本当の相談であった。債務整理を検討するとともに,この製品の爆発の責任を問う手続きも同時に進めていくことにした。

こうした,欠陥製品の事故による身体的被害については,製造物責任法を使うことになる。この法律は1994年に成立したものであり,アメリカで判例法でこの法理が確立してから30年以上も経過してやっとできた法律であった。この法律ができるまでにはかなりの時間を要した。1989年には日弁連はこの法律を作ることは消費者の権利実現にとって直面している緊急な課題の一つであると指摘し,成立にむけて運動をした。私も消費者団体などに講師に呼ばれてこの法律の必要性を訴える講演をした。こうしてできた法律ではあるが,あまり使われていないのが現実である。今回の相談は,私にとって製造物責任法に関する初めての相談と言って良い。相談の事案は既に事故から時間を経過しているなどのことがあるが,執拗に製品の回収をしようとしていた販売会社から,これだけはと絶対にわたすことのなかった現品が残っている。しっかりと情報収集をしてこの問題に取り組んで,相談者の精神的呪縛,苦痛から解放してあげることができればと思っている。なんでもない,債務相談からとんでもない問題が持ち込まれた。

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