第87回刑法学会

2009年5月31日

20090530(001).jpg明治大学で開催されている日本刑法学会に参加している。今年は日本に刑法典が制定されてから100年目のようである。そのこともあって、早稲田大学名誉教授西原春夫先生の「刑法典100年とこれからの刑法学」と題する記念講演があった。日本の刑法典はどうしてこのように100年間も大きな改正がなされない普遍性を持ちうるのか、今後の刑法学のあるべき方向について述べられていた。かつて、刑法哲学が団藤重光先生、木村亀二先生の人格をかけての厳しい論争が刑法学を盛り上げていたことがあり、そのような課題のない現段階では何を目指すのかという課題を提示された記念講演であった。学生時代に刑法総論はこの木村亀二先生に学んだ。団藤説でなければ司法試験は合格しないなどといわれていたが、私は最後まで木村説で司法試験に臨んだ。明日は、東京大学名誉教授松尾浩也先生の記念講演が予定されている。

昼食は大学に隣接してある山の上ホテルでてんぷらを食べた。今夜はこのホテルに宿泊している。学生時代にいちどはこうしてみたいと思っていたことを今日実現した。駿河台、神田界隈を歩いてみた。喫茶店さぼぅるは今も健在であった。よく行ったハトヤはコンビニに変わっていた。すずらん通りの面影はほとんど残っていなかった。「人生劇場」「ポニー」のパチンコ店は、形を変えて今もあった。もちろん、三省堂、書泉はそのままあり、小宮山書店などの古書店は健在であった。何よりも大きく変わっていたのは大学そのものである。解放的な1階ロビーからはエスカレーターが絶えず動き、高層階へのエレベーターがスピードをもって動いていてデパートのような明るさと華やかさをもち、国際会議場ではないかと思わせるホールなどが学生の教室として使われているのだから驚きである。立看と落書きのある牢獄のような古いコンクリートの塊のなかで、デモ隊と機動隊のぶつかりあう騒音と緊張なかで生活していたあのころからは想像もできないことであった。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

Links

Calendar

  • 2024年3月
    « 5月    
     123
    45678910
    11121314151617
    18192021222324
    25262728293031