最高裁判所の国民審査

2009年8月28日

もうどうでもいいような扱いしか受けないが,最高裁判所の裁判官の国民審査が衆議院選挙とともに行われる。任命を受けて初めて行われる衆議院選挙,それから10年を経過したあと最初に行われる衆議院選挙において審査に付されるのである。裁判員裁判が始まって,少しは裁判所に国民の関心が高まったとは思うが,最高裁判所の裁判官が個々にどのような意見を判決のなかで述べてきていたかをなかなか知ることができないし,できたとしてもその良否を判断するには高度な知識を要することが多い。しかし,いつも投票前には,少なくとも×をつける裁判官を決めてでかけるようにしている。今年はまだきちんと資料にあたっていないのでまだ決めていない。行政出身の竹内行夫氏を×をという小さな運動が進んでいる。イラク訴訟対策として最高裁に送り込まれた役割を担っているのではないかと言われている。最高裁の判決には多数意見,少数意見と個別に裁判官の意見が公表される。本当はその中身をきちんとみて判断すべきなのであろうが,それには困難な作業を伴う。国民審査が形骸化してしまう背景である。

実は問題なのは,選任方法であろう。選任手続きにおいてもっと民主的な手続きであれば,選任される裁判官に信頼がおけるようになると思う。日弁連からも一定の枠があって,推薦されて最高裁判事となっていく。しかし,日弁連内部においてさえ,この選任方法にはけっこう縛りが多い。真に最高裁判事として信頼をえられる人が選任されるとは限らないのだ。会内の政治的な力学によって推薦され,選任されている。かつて,日弁連会長選挙に敗れた人が最高裁判事に選任されたことがある。こんなことでは信頼できる最高裁裁判官が選任される素地がないと言わなければならない。

久しぶりに,最高裁で弁論をする事件がある。これで2度目であるが,前回は1,2審を敗訴し,上告して最高裁で弁論期日がはいり,破棄自判で逆転完全勝利となった。実は今度は逆の立場である。最高裁で弁論期日がもたれるということは,勝訴した1,2審判決が見直しされる可能性大であるということなのだ。気の重い最高裁での口頭弁論手続きである。

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