保釈で謝罪会見?

2009年9月18日

酒井法子が保釈となった。芸能人ら有名人が保釈となると釈放される留置施設の前にマスコミが大勢集まり,追いかけ回す。ここの絵はいつも決まっている。施設の玄関からでてきて,そこで立ち止まり,「ご迷惑をおかけしてスミマセンでした」と謝罪の一言を残して,車で去っていく。その車を多くの取材記者が追う。こうすることが当然のようになっっていて,被告人もそうすることを強いられるように同じ行動パターンで動いていく。今回の酒井法子の場合も同じであった。ただ,マスコミの追っかけを止めさせるためか,「謝罪会見」をセットした。

被告人が,保釈されたからといって,誰かに「謝罪」すべきことではない。「謝罪会見」までセットしなければならないというのもおかしな話だ。被告人は罪を犯して,これから裁判を受けようとしているのだ。すべてはその裁判のなかで明らかにされていくことである。まだ公訴事実に関して答弁をしていないし,現在の心境を外部に明らかにしなければならない時期でもない。もし,この段階で自然な形として被告人の気持ちとしてでて来る言葉があるとすれば,とんでもないことをしてしまったことを悔いているとか,反省しているとの言葉であろう。しかもそれはマスコミに向かって大きな声で言うべきことではなく,そっと心に留めておくべきことで,小さな声でふと漏れてくる言葉のはずだ。謝罪会見を求め,しなければならない状況に追い込むことは人権侵害ではないか。

法廷では,子を持つ一人の母親として,真摯な反省とこれからの生活に向けての強い決意が示されることを期待している。そのあり方を外部から論評することはかまわないが,一定の決まった行動パターンをとらせようとし,それがなければ反省していないかのような動きは厳に慎まれるべきである。

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