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四代目中村地球三郎第一句集『宙乗』より

四代目中村地球三郎第一句集『宙乗(スペースフライト)』より
静かの海野外劇場公演
六方のいまさらながら着地せり
勘九郎兄さん
通信や紅筆鳥渡(ちよつと)宙に置き
言ひ伝へによると十一月三日
このそらに星またゝかぬライカの忌
ほろぐらむ夢のあなたを手にかけてしんと明るむ愛といふもの 穂崎円・訳
しらじらとほろぐらみたる褌かな
第十三アルカトラズ刑務所慰問
地表灼けて客席に千人の俊寛
勘太郎くん
父さんにパパにダディに紙の薔薇
定期健診
春日傘ゆつくりもどす骨密度
ネオ・コトヒラ名物ジンリキシャ
車夫(ドロイド)ピッと応ふる春の商店街
半減期の先にも歌舞伎はあるだらうか
初雪の予報うれしき防護服
名跡を継ぐといふこと
二十光年てふ大向ふより “Накамурая”

この作品は「現代詩手帖」(思潮社)2017年8~10月号連載の誌上アンソロジー企画〈川口晴美と、詩と遊ぶ〉の最終回「男だけの世界」のために、中村地球三郎丈憑依状態により制作されました。稀人舎『Solid Situation Poems』でアンソロジー全作をお楽しみいただけます。

穂崎円氏の作品は共有結晶文庫からどうぞ。